相関(そうかん)
2つの銘柄が同じ方向に動く度合い。これを見ないと、分散したつもりで分散にならない。
ひとことで言うと
2つの銘柄が、同じ方向に動くかどうかの度合いです。
もう少しくわしく
分散投資をするとき、多くの人が銘柄の数を数えます。
「5銘柄に分けたから、分散できている」
しかし、それでは足りません。5銘柄が一緒に動くなら、1銘柄に全額入れたのと変わりません。
図のA社とB社は、ほとんど重なっています。2社に分けても、下げるときは一緒に下げます。
この「一緒に動く度合い」を数字にしたものが相関係数です。
| 相関係数 | 2つの銘柄の関係 |
|---|---|
| +1に近い | ほぼ同じ動きをする |
| 0に近い | 関係がない |
| −1に近い | 反対の動きをする |
分散の効果があるのは、0に近いか、マイナスの組み合わせです。
実際の数字で見る
100万円を、2つのやり方で分けたとします。相場が下げた場面を見ます。
やり方1 … 同じ業種の銀行株5社に20万円ずつ
| 下落率 | 金額 | |
|---|---|---|
| 銀行A〜E(5社とも) | −20% | 80万円 |
| 合計 | −20% | 80万円 |
銀行株は金利や景気に同じように反応します。 5社に分けても、5社とも同じだけ下げました。
やり方2 … 業種を分けて5つに20万円ずつ
| 下落率 | 金額 | |
|---|---|---|
| 銀行 | −20% | 16万円 |
| 輸出企業 | −25% | 15万円 |
| 電力・ガス | −5% | 19万円 |
| 食品 | −3% | 19.4万円 |
| 医薬品 | +2% | 20.4万円 |
| 合計 | −10.2% | 89.8万円 |
同じ5銘柄でも、減り方が倍ちがいます。
電力・食品・医薬品は、景気が悪くても売上が大きくは変わりません。 電気を止める人も、食べるのをやめる人もいないためです。だから相関が低くなります。
銘柄の数ではなく、値動きの源が違うかどうかが効いています。
ここに注意
相場が本当に崩れるとき、相関は1に近づきます。ここが最大の落とし穴です。
ふだんは違う動きをしている銘柄も、市場全体が売られる場面では一緒に下げます。
理由は、下げているときに起きることにあります。
このとき、会社の中身は関係ありません。 良い会社も悪い会社も一緒に売られます。
つまり、分散がいちばん効いてほしい場面で、いちばん効かなくなります。
では、分散に意味はないのか。あります。ただし何を防げるかを正しく知ってください。
| 防げること | 防げないこと |
|---|---|
| 1社が不祥事を起こす | 市場全体が下げる |
| 1業種が不振になる | 世界的な金融危機 |
| 1社が倒産する | 相場の長期低迷 |
分散が防ぐのは、個別の会社で起きる事故です。相場全体の下げは防げません。
相場全体の下げに備える方法は、分散ではなく別のものです。
株以外のものを持つことと、すぐには使わないお金で投資することです。
現金や債券は、株が下げても一緒には下げません。この配分を決めることをアセットアロケーションといいます。
そして、もう1つ大事なことがあります。過去の相関は、将来も続くとはかぎりません。
「この2つは反対に動いてきた」という関係は、変わります。 金利の水準が変われば、業種どうしの関係も変わります。過去10年の相関をそのまま当てにしないでください。
関連する言葉
- 分散投資 複数の銘柄に分けて投資すること。1社の失敗で資産の大半を失う事態を防ぐ。
- アセットアロケーション 株・債券・現金などへの配分。銘柄選びより先に決めるべきもの。
- リバランス 値動きでずれた資産の配分を、決めた割合に戻すこと。自動的に高く売り安く買う形になる。
- インデックス投資 市場全体を表す指数に連動させる運用。個別銘柄を選ばず、市場の平均を取りにいく。
- 卵を一つのかごに盛るな 資産を1か所に集中させるなという格言。分散の必要性を1行で言い表している。
- 最終更新
- 2026-09-17