カブシルベ KABUSHIRUBE
株を学ぶ / 相場の俗語

卵を一つのかごに盛るな

資産を1か所に集中させるなという格言。分散の必要性を1行で言い表している。

ひとことで言うと

卵を1つのかごに入れておくと、落としたとき全部割れる。分けておけという格言です。

もう少しくわしく

英語の "Don't put all your eggs in one basket." の訳です。分散投資の必要性を表す最も有名な言葉です。

要点は単純です。

  • 1つのかご … 落とせば全部割れる
  • 3つのかご … 1つ落としても、3分の2は残る

株では「かご」が何を指すかで、意味が変わります。

かごの意味 分散のしかた
銘柄 複数の会社に分ける
業種 自動車だけ、銀行だけにしない
時期 一度に買わず、何回かに分ける
国 日本だけでなく海外にも
資産の種類 株だけでなく、現金や債券も

多くの人は1つ目までしか考えません。しかし5つとも「かご」です。

実際の数字で見る

300万円を投じた場合の比較です。1社が倒産したとします。

1銘柄に集中 10銘柄に分散
1社あたり 300万円 30万円
倒産したとき -300万円 -30万円
残った資産 0円 270万円

集中していた人は再起できません。 分散していた人は、90%が残っています。

ただし、逆も成り立ちます。その1社が5倍になった場合。

1銘柄に集中 10銘柄に分散
その1社 300万円 → 1,500万円 30万円 → 150万円

分散は、大勝ちも平均化します。

この格言が言っているのは「儲かる方法」ではありません。「退場しない方法」です。

ここに注意

分散したつもりで、していないことがあります。

次の3つは、よくある誤りです。

1. 同じ業種に分散している。

自動車部品メーカー5社に分けても、円高が来れば5社とも下がります。1つのかごを5つに見せているだけです。

業種を確認してください。当サイトの銘柄ページには、業種を表示しています。

2. 同じ要因で動くものに分散している。

日本株と日本のREITと日本円預金。すべて日本経済に賭けています。 大地震や急激な円安が来れば、同時に影響を受けます。

3. 数だけ増やして、中身を見ていない。

50銘柄に分ければ、決算発表は年200回です。すべてを追えません。 内容を把握していない株を持つのは、分散ではなく放置です。

個人の現実的な範囲は5〜20銘柄です。

そして、この格言には続きがあります。

かごを見ていなさい。(Watch that basket.)

米国の作家マーク・トウェインが残したとされる言葉です。「分散するより、1つに集中して注意深く見張れ」という主張です。

どちらが正しいということはありません。 それぞれ前提が違います。

考え方 前提
分散せよ 自分の判断は外れうる
集中して見張れ 1社を深く理解できるだけの時間と力がある

多くの個人投資家には、後者の時間がありません。本業がある人にとっては、分散のほうが現実的です。

最後に、最も見落とされるかごを挙げておきます。

自分の給料も、1つのかごです。

勤めている会社の株を持っていれば、その会社が傾いたとき、給料と資産の両方を同時に失います。 持株会に入っている場合は、この点を意識してください。

関連する言葉

  • 分散投資 複数の銘柄に分けて投資すること。1社の失敗で資産の大半を失う事態を防ぐ。
  • ポジションサイズ 1回の取引にいくら投じるかの決め方。銘柄選びより結果を左右する。
  • インデックス投資 市場全体を表す指数に連動させる運用。個別銘柄を選ばず、市場の平均を取りにいく。
  • 退場(たいじょう) 資金を失い、株式投資そのものから撤退すること。
最終更新
2026-09-16