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株を学ぶ / 制度・仕組み

信託報酬

投資信託を持っている間、毎日引かれ続ける費用。払った実感がないまま積み上がる。

ひとことで言うと

投資信託を持っているあいだ、毎日少しずつ引かれ続ける手数料です。

もう少しくわしく

投資信託には、3種類の費用があります。

いつかかるか 名前 性質
買うとき 購入時手数料 0%の商品が多い
持っているあいだ 信託報酬 毎日引かれる
売るとき 信託財産留保額 かからない商品もある

このうち信託報酬が、いちばん大きく効きます。理由は2つです。

1. 持っているあいだ、ずっとかかります。

買うときの手数料は1回だけです。信託報酬は20年持てば20年分かかります。

2. 払った実感がありません。

ここが最も重要な点です。

信託報酬は、あなたの口座から引き落とされません。

投資信託の財産から毎日差し引かれ、その後の基準価額に反映されます。つまり引かれた後の値段しか目にしません。

銀行の手数料のように「330円引かれました」という表示は出ません。気づく機会がないまま、引かれ続けます。

年率で表示されますが、実際には日割りで毎日引かれています。

実際の数字で見る

100万円を、年5%で増える商品に20年間置いたとします。

信託報酬の差が20年でどれだけになるか年5%で運用したとき、信託報酬の違いが年々開いていく形。 信託報酬0.1% 信託報酬1.5% 260万円 199万円 今 10年後 20年後
信託報酬0.1%信託報酬1.5%元本100万円を年5%で運用した場合。差の61万円は、増えなかった分ではなく引かれた分
元本100万円を年5%で運用した場合の、信託報酬0.1%と1.5%の差。説明のための模式図です。実在の銘柄・企業の数値ではありません。
信託報酬 実質の利回り 20年後
0.1% 4.9% 260万円
0.5% 4.5% 241万円
1.0% 4.0% 219万円
1.5% 3.5% 199万円

0.1%と1.5%で、61万円の差がつきます。

差は1.4%しかありません。しかし20年で最終金額の24%になります。

なぜこれほど効くのか。複利で効くためです。

引かれた分は、その後も増えません。1年目に引かれた1.5万円は、19年分増える機会を失っています。 それが毎年積み重なります。

もう1つ、重要な見方があります。

この61万円は、「増えなかった分」ではなく「引かれた分」です。

運用がうまくいってもいかなくても、信託報酬は引かれます。損が出た年でも引かれます。

その年の運用 信託報酬
+20%だった 引かれる
0%だった 引かれる
−30%だった 引かれる

ここに注意

「信託報酬が高い=運用がうまい」ではありません。

高い商品は、次のように説明されることがあります。

「専門家が銘柄を選んで運用しています」

これをアクティブ運用といいます。指数に連動するだけのインデックス運用より手間がかかるため、信託報酬は高くなります。

しかし、手間がかかることと、成績が良いことは別です。信託報酬が1.5%の商品は、指数を毎年1.4%上回って、ようやく0.1%の商品と同じになります。

そして、確認しておくべきことがあります。

確かめること どこで見るか
信託報酬の率 目論見書・運用報告書
その商品の過去の成績 運用報告書
同じ指数に連動する他の商品の信託報酬 各社のサイト

最後が大事です。同じ指数に連動する商品どうしでも、信託報酬には差があります。

中身がほぼ同じなら、信託報酬が低いほうを選べば、それだけで差がつきます。 これは数少ない「確実に有利になる選択」です。

もう2つ、注意点を書いておきます。

1. 実質コストは信託報酬より大きいことがあります。

信託報酬のほかに、売買にかかる費用や監査費用がかかります。これらを含めた実際の費用は、運用報告書で確認できます。表示されている信託報酬より高くなるのが普通です。

2. NISAでも信託報酬はかかります。

NISAで非課税になるのは税金であって、信託報酬ではありません。どの口座で買っても、信託報酬は同じだけ引かれます。

投資信託を選ぶとき、多くの人は過去の成績を見ます。しかし過去の成績は将来を保証しません。

信託報酬は、将来にわたって確実にかかります。 予測ではなく、決まっている数字です。予測できないものより、決まっているものから見るほうが確かです。

関連する言葉

  • 投資信託 多くの人から集めた資金をまとめて運用する商品。少額で分散できるが、持っている間ずっと費用がかかる。
  • ETF(上場投資信託) 取引所で株と同じように売買できる投資信託。費用が安く、値段がその場で決まる。
  • インデックス投資 市場全体を表す指数に連動させる運用。個別銘柄を選ばず、市場の平均を取りにいく。
  • 手数料 売買のたびにかかる費用。回数が増えるほど積み上がり、利益を静かに削る。
  • NISA(ニーサ) 投資で得た利益に税金がかからない制度。通常は約20%が引かれる。
最終更新
2026-09-17