基準価額
投資信託の値段。株価と違い1日1回しか決まらず、注文時には分からない。
ひとことで言うと
投資信託の値段のことです。
もう少しくわしく
株には株価があります。投資信託にあたるものが基準価額です。
しかし、性質がまったく違います。
| 株価 | 基準価額 | |
|---|---|---|
| 決まる回数 | 取引時間中ずっと | 1日1回だけ |
| 決まる時刻 | 売買が成立するたび | その日の夜 |
| 注文時に値段が分かるか | 分かる | 分からない |
| 表示の単位 | 1株あたり | 1万口あたりが一般的 |
計算はこうです。
基準価額 =(純資産総額 ÷ 総口数)× 10,000
純資産総額とは、その投資信託が持っている資産の合計から、費用などを引いたものです。
多くの投資信託は、1万口10,000円から始まります。だから「基準価額12,000円」なら、開始時から20%増えたということになります。
実際の数字で見る
注文した時点では値段が分からないという点を見ます。これをブラインド方式といいます。
| 時刻 | 出来事 |
|---|---|
| 10:00 | 買い注文を出す(この時点の基準価額は前日の10,000円) |
| 15:30 | 市場が閉まる |
| 夜 | その日の基準価額が決まる。10,250円だった |
| 翌営業日 | 10,250円で約定していたと分かる |
10,000円だと思って注文したのに、10,250円で買っていました。
なぜこうなっているのか。後から注文した人が有利にならないようにするためです。
もし当日の基準価額を見てから注文できると、その日に相場が上がったと分かってから買えることになります。それでは先に注文した人が損をします。
そして、締切時刻があります。
| 締切の目安 | |
|---|---|
| 国内の資産に投資する商品 | 15:00ごろ |
| 海外の資産に投資する商品 | もっと早いことがある。約定も翌営業日になる |
締切を過ぎた注文は、翌営業日の基準価額が適用されます。
この締切は、販売する証券会社が決めています。 取引所の終了時刻(15:30)とは別で、商品によっても違います。必ず自分が使っている証券会社の説明を確認してください。
ここに注意
基準価額の高い安いで、割安割高は判断できません。
ここが最もよくある誤解です。
| 基準価額 | |
|---|---|
| A投信 | 8,000円 |
| B投信 | 25,000円 |
「Aのほうが安いから買いやすい」と考える人がいます。これは間違いです。
基準価額は、その投資信託が始まってからどれだけ増えたかを表しているにすぎません。
| 意味 | |
|---|---|
| 8,000円 | 開始時より20%減っている |
| 25,000円 | 開始時より150%増えている |
むしろBのほうが、これまでうまく運用されてきたことになります。
そして、始まった時期が違えば比べようがありません。 20年前に始まった商品と、去年始まった商品では、同じ指数に連動していても基準価額はまるで違います。
比べるべきは中身と費用です。
| 比べるもの | どこで見るか |
|---|---|
| 何に投資しているか | 目論見書 |
| 信託報酬 | 目論見書・運用報告書 |
| 純資産総額(規模) | 運用報告書 |
| 過去の増減の率 | 運用報告書 |
もう3つ、知っておいてください。
1. 分配金が出ると、基準価額は下がります。
分配金は、その投資信託の財産から出ます。 外から来るものではありません。
500円の分配金が出れば、基準価額は500円下がります。 損をしたわけではありませんが、増えたわけでもありません。
2. 純資産総額が小さいと、繰上償還の可能性があります。
規模が小さくなりすぎると、運用を続けられなくなり、期限前に終了することがあります。これを繰上償還といいます。
長く持つつもりなら、純資産総額が減り続けていないかを確かめてください。
3. ETFは基準価額と市場価格が別にあります。
ETFは取引所に上場しているので、株と同じように売買できます。 そのため、2つの値段があります。
| 中身 | |
|---|---|
| 基準価額 | 中身の資産から計算した理論値 |
| 市場価格 | 実際に売買されている値段 |
この2つはズレることがあります。差を乖離といいます。売買が少ないETFほどズレやすくなります。
関連する言葉
- 投資信託 多くの人から集めた資金をまとめて運用する商品。少額で分散できるが、持っている間ずっと費用がかかる。
- 信託報酬 投資信託を持っている間、毎日引かれ続ける費用。払った実感がないまま積み上がる。
- 分配金(普通分配金と元本払戻金) 投資信託から出るお金。一部は利益ではなく、自分の元本が戻っているだけのことがある。
- ETF(上場投資信託) 取引所で株と同じように売買できる投資信託。費用が安く、値段がその場で決まる。
- 約定 売買が成立すること。注文を出した時点ではまだ成立していない。
- 最終更新
- 2026-09-18
- 訂正
- 2026-09-18 取引所が閉まる時刻を15:00と書いていました。正しくは15:30です。2024年11月に変わっています。