狼狽買い
急騰を見て慌てて買うこと。狼狽売りと同じく、判断ではなく反応。
ひとことで言うと
急に上がるのを見て、乗り遅れたくない一心で慌てて買うことです。
もう少しくわしく
狼狽売りの反対です。しかし起きている中身は同じです。
| 狼狽売り | 狼狽買い | |
|---|---|---|
| きっかけ | 急落 | 急騰 |
| 感情 | 恐怖(もっと下がる) | 恐怖(乗り遅れる) |
| 行動 | 値段を見ずに売る | 値段を見ずに買う |
どちらも恐怖が動かしています。方向が違うだけです。
近年は英語の頭文字からFOMO(Fear Of Missing Out、取り残される恐怖)とも呼ばれます。
起きる流れは決まっています。
- ある銘柄が急騰する
- SNSや掲示板で話題になる
- 「まだ間に合う」という書き込みを見る
- 自分だけ取り残される気がしてくる
- 値段を確かめずに買う
そして買った後に、なぜ上がったのかを調べ始めます。 順番が逆です。
実際の数字で見る
狼狽買いをした場合の典型です。
| 日 | 株価 | 行動 |
|---|---|---|
| 1日目 | 800円 → 950円 | 話題になり始める |
| 2日目 | 950円 → 1,210円 | 「乗り遅れる」と感じる |
| 3日目 | 1,210円 → 1,480円 | ここで買う |
| 5日目 | 1,120円 | -24% |
| 10日目 | 870円 | -41% |
3日目に買った理由を、その人は説明できません。「上がっていたから」以外にないためです。
そして下げ始めたとき、何を見れば判断できるかも分かりません。買う理由がなかったので、売る理由も持てません。
ここに注意
「乗り遅れる」という感覚そのものが、危険の合図です。
なぜなら、乗り遅れたと感じるということは、すでに上がった後だからです。
| 感じ方 | 実際の状況 |
|---|---|
| 「まだ上がりそうだ」 | すでに上がっている |
| 「乗り遅れる」 | すでに大きく上がった |
| 「今しかない」 | 高値圏にいる可能性が高い |
この感覚が強いときほど、株価は高い位置にあります。
対処は2つあります。
1. 急騰した銘柄は、一度見送る。
見送っても、失うのは「上がったかもしれない利益」だけです。買って外せば、実際のお金を失います。
そして重要なことに、機会は何度でも来ます。 東証には約3,900社あります。1つ逃しても、次があります。
2. 買う条件を先に決めておく。
「PERが15倍以下」「営業利益が3期連続で増えている」といった条件を持っていれば、急騰した銘柄がその条件を満たすかを確かめられます。
満たさなければ、買わない理由が明確になります。 感情ではなく、条件で判断できます。
最後に、狼狽買いと狼狽売りの関係を書いておきます。
この2つは、同じ人の中で連続して起きます。
高値で狼狽買いをした人は、下げたときに耐えられません。そして底で狼狽売りをします。これが往復ビンタです。
つまり、入り口の狼狽買いを防げば、出口の狼狽売りも起きません。
原因はどちらも同じで、買う前に判断していなかったことです。
関連する言葉
- 狼狽売り(ろうばいうり) 株価の急落に慌てて、冷静な判断をせずに売ってしまうこと。
- 高値掴み(たかねづかみ) 株価が一番高いところで買ってしまい、その後の下落に巻き込まれること。
- イナゴ 話題になった銘柄に短時間で群がり、急騰させてすぐ去っていく投資家たちのこと。
- 提灯(ちょうちん) 誰かの買いに乗って、後から追いかけて買うこと。灯りが消えると暗闇に取り残される。
- 最終更新
- 2026-09-16