リスクリワードレシオ
損切り幅と利確幅の比率。勝率だけを追うと、勝ちが多くても資産が減る。
ひとことで言うと
「損したときの額」と「得したときの額」の比率のことです。
もう少しくわしく
売買を始める前に、2つの数字を決めます。
| 決めること | 例 |
|---|---|
| 損切り幅 | ここまで下がったら売る … −10,000円 |
| 利確幅 | ここまで上がったら売る … +20,000円 |
この比が 1:2 です。これをリスクリワードレシオといいます。
なぜこれが大事なのか。勝率だけでは、儲かるかどうかが決まらないためです。
計算は単純です。損益がゼロになる勝率は、次の式で出ます。
1 ÷ (1 + リスクリワード比)
| 損切り幅:利確幅 | 損益ゼロの勝率 |
|---|---|
| 1:0.5 | 66.7% |
| 1:1 | 50.0% |
| 1:2 | 33.3% |
| 1:3 | 25.0% |
1:2なら、3回に1回勝てば、損も得もしません。 それ以上勝てば、資産は増えます。
実際の数字で見る
勝率が高いほうが負けるという例を見ます。どちらも100回売買したとします。
Aさん … 勝率40%。1:2で売買する。
| 回数 | 1回あたり | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 勝ち | 40回 | +20,000円 | +800,000円 |
| 負け | 60回 | −10,000円 | −600,000円 |
| 損益 | +200,000円 |
Bさん … 勝率60%。1:0.5で売買する。
| 回数 | 1回あたり | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 勝ち | 60回 | +5,000円 | +300,000円 |
| 負け | 40回 | −10,000円 | −400,000円 |
| 損益 | −100,000円 |
勝率が高いBさんのほうが、負けています。
Bさんのやっていることには、名前がついています。コツコツドカンです。小さな利益を何度も積み上げ、たまの大きな損で全部失う形です。
Bさんの感覚では「10回のうち6回は勝っている」ため、自分のやり方が間違っているとは思いません。通帳を見るまで気づきません。
ここに注意
この比率は、計算した時点では机の上の数字にすぎません。守って初めて意味を持ちます。
1:2と決めても、実際にはこうなりがちです。
| 決めたこと | 実際にやること |
|---|---|
| +20,000円で利確 | +8,000円で売ってしまう(減るのが怖い) |
| −10,000円で損切り | −30,000円まで持つ(戻ると思う) |
こうすると、気づかないうちに1:0.27になっています。この比で勝つには、79%の勝率が必要です。
なぜこうなるのか。利益が減るのは目の前で見えるのに、損失が増えるのは「まだ確定していない」と思えるからです。
対処は2つあります。
1. 注文を先に出しておく。
買った直後に、逆指値で損切り注文を入れてください。そのときなら冷静に決められます。値が動いてから決めようとすると、必ず甘くなります。
2. 利確幅を、値動きの大きさから決める。
「+20,000円ほしい」ではなく、その銘柄が実際にどれくらい動くかから決めてください。1日1%しか動かない銘柄で「1か月で20%上がったら売る」と決めても、その水準には届きません。
最後に、この考え方の限界も書いておきます。
リスクリワード比は、勝率を教えてくれません。
1:5にすれば必要な勝率は16.7%まで下がります。しかし、利確幅を広げれば、そこに届く回数も減ります。 比を良くするほど勝率は下がるので、無限に有利にはなりません。
そして、この考え方が成り立つのは売買の回数を重ねた場合です。5回や10回では、勝ち負けの並び方しだいで結果は大きくぶれます。
何より大事なのは、1回の負けで再起不能にならないことです。 比率をどう決めても、1回で資産の半分を失えば終わりです。それを決めるのはポジションサイズです。
関連する言葉
- 損切り(ロスカット) 損が出ている株を売って、損失を確定させること。傷が広がる前に止める行為。
- 利確(利益確定) 含み益が出ている株を売って、利益を現実のものにすること。売るまで利益は存在しない。
- ポジションサイズ 1回の取引にいくら投じるかの決め方。銘柄選びより結果を左右する。
- コツコツドカン 小さな利益を積み上げた後、一度の大きな損ですべて失うこと。勝率が高くても負ける形。
- トレーリングストップ 株価が上がるにつれて損切りの水準も引き上げる注文。利益を伸ばしつつ守る。
- 最終更新
- 2026-09-17