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株を学ぶ / 売買の手法

トレーリングストップ

株価が上がるにつれて損切りの水準も引き上げる注文。利益を伸ばしつつ守る。

ひとことで言うと

株価が上がるにつれて、損切りの水準も一緒に引き上げていく仕組みです。

もう少しくわしく

トレーリングストップ株価が上がるにつれて損切りの水準も引き上げ、下げに転じたところで売る仕組み。 損切りの水準 株価 ここで売る(+39%) 高値
損切りの水準株価高値から10%下に置き、高値が更新されるたびに引き上げる。下げには追随しない
高値から10%下に損切りの水準を置き、高値が更新されるたびに引き上げます。下げには追随しないため、下げに転じたところで売れます。説明のための模式図です。実在の銘柄・企業の数値ではありません。

トレールは「追いかける」という意味です。損切りの水準が、株価を追いかけて上がっていきます。

普通の逆指値との違いは、水準が動くかどうかです。

損切りの水準
逆指値 買ったときに決めたまま動かない
トレーリングストップ 高値が更新されるたびに引き上がる

重要なのは、上げには追随するが、下げには追随しないという点です。

  • 株価が上がる → 損切りの水準も上がる
  • 株価が下がる → 損切りの水準はそのまま

この非対称性が、利益を伸ばしながら守るという働きを生みます。

実際の数字で見る

買値100円、高値から10%下に置いた場合です。

時点 株価 高値 損切りの水準
買った日 100円 100円 90円
上昇中 126円 126円 113.4円
最高値 158円 158円 142.2円
下げ始め 147円 158円 142.2円(動かない)
発動 139円 158円 142.2円を割った

139円で売れました。買値から+39%です。

もし普通の逆指値(90円のまま)だったら、下げに耐えて最終的にどこで売るかは自分の判断になります。トレーリングストップは、その判断を機械化します。

逆に、天井の158円で売ることはできません。必ず高値から10%下がってから売ります。 これは仕組み上避けられません。

ここに注意

幅の決め方で、まったく違う結果になります。

幅が狭すぎると、普通の値動きで売らされます。

幅 結果
3% 少しの下げで発動。上昇の途中で降ろされる
10% 標準的
25% 大きく下げるまで持つ。利益を返す幅も大きい

1日で5%動くのが普通の銘柄に3%の幅を設定すれば、ほぼ確実に数日で発動します。

その銘柄が普段どれくらい動くかを見てから決めてください。ボリンジャーバンドの幅が、その目安になります。

もう3つ、実務的な注意があります。

1. 証券会社によって使えないことがある。

トレーリングストップに対応していない証券会社もあります。また対応していても、銘柄や注文の種類に制限がある場合があります。使う前に確認してください。

2. 窓を開けた下げには無力です。

142.2円に設定していても、悪材料で翌朝いきなり120円で始まれば、120円付近で売られます。 これは逆指値と同じ弱点です。

3. 「発動したら終わり」ではありません。

売った後にその銘柄が再び上がることは、普通にあります。トレーリングストップは利益を確定させる仕組みであって、天井を当てる仕組みではありません。

そして最後に、この手法が向く場面と向かない場面を書いておきます。

場面 向くか
上昇の流れに乗っている銘柄 向く
値幅の狭い横ばい 向かない(何度も発動する)
長期で持つつもりの銘柄 向かない

3つ目が重要です。業績が伸びている会社を10年持つつもりなら、途中の30%の下落で降ろされては困ります。 その場合は、株価ではなく業績で判断するほうが筋が通ります。

当サイトの分析は、財務データにもとづく数か月から数年の時間軸を扱っています。トレーリングストップは、それより短い時間軸の道具です。目的に合うかを考えてから使ってください。

関連する言葉

  • 逆指値 「この値段まで下がったら売る」と先に決めておく注文。損切りを自動化できる。
  • 損切り(ロスカット) 損が出ている株を売って、損失を確定させること。傷が広がる前に止める行為。
  • 利確(利益確定) 含み益が出ている株を売って、利益を現実のものにすること。売るまで利益は存在しない。
  • 握力(あくりょく) 株価が動いても売らずに持ち続ける精神力のこと。「握力が強い」などと使う。
最終更新
2026-09-16