ポジションサイズ
1回の取引にいくら投じるかの決め方。銘柄選びより結果を左右する。
ひとことで言うと
1回の取引に、資産のうちいくらを投じるかという決め方です。
もう少しくわしく
多くの人は「何を買うか」に時間をかけ、「いくら買うか」をその場で決めます。順序が逆です。
理由は単純です。どんなに良い銘柄でも、外れることがあります。 そして外れたときに失う額は、投じた金額で決まります。
| 決めること | 結果への影響 | |
|---|---|---|
| 銘柄選び | 何を買うか | 当たるかどうか |
| ポジションサイズ | いくら買うか | 外したときに生き残れるか |
投資を続けられなくなる原因は、銘柄を間違えたことではありません。間違えたときの金額が大きすぎたことです。
実際の数字で見る
資産100万円の人が、1回にいくら投じるかで比べます。1回あたり投じた額の20%を失うとします。
| 1回に投じる額 | 1回の損失 | 資産が半分になるまで |
|---|---|---|
| 5万円(5%) | 1万円 | 69回 |
| 20万円(20%) | 4万円 | 17回 |
| 50万円(50%) | 10万円 | 7回 |
| 100万円(100%) | 20万円 | 3回 |
全額を1銘柄に投じる人は、3回続けて外しただけで資産が半分になります。
5%ずつなら69回です。69回も外すうちに、やり方を直す機会があります。 3回ではありません。
そして重要なのは、どれだけ経験を積んでも外れる回数はゼロにならないことです。
ここに注意
「この銘柄は確実だ」と思ったときほど、金額を増やしたくなります。そこが最も危険です。
確信の強さと、当たる確率は関係ありません。むしろ確信が強いときほど、反証を見落としています。
実務的な決め方を1つ挙げます。
1回の取引で失ってよい額を、資産の1〜2%に抑える。
資産100万円なら、1回で失ってよいのは1〜2万円です。
ここから逆算します。損切りを買値の10%下に置くなら、投じてよい額は10〜20万円です。
| 資産 | 1回に失ってよい額 | 損切り幅10%なら投じる額 |
|---|---|---|
| 100万円 | 1〜2万円 | 10〜20万円 |
| 300万円 | 3〜6万円 | 30〜60万円 |
| 1,000万円 | 10〜20万円 | 100〜200万円 |
この決め方の利点は、損切り幅と投資額が連動することです。値動きの激しい銘柄は損切り幅を広く取る必要があるため、自動的に投じる額が小さくなります。
もう一つ、見落とされやすい点があります。
複数の銘柄が同じ理由で動くなら、それは1つのポジションです。
自動車部品メーカーを5社に分けて買っても、円高が来れば5社とも同時に下がります。分散したつもりで、実際には1つに賭けていることになります。
最後に、この考え方が最も効く場面を書いておきます。
下げている最中に、冷静でいられるかどうか。
同じ30%の下落でも、投じた額が10万円なら3万円の損です。100万円なら30万円です。金額が小さければ、判断が狂いません。
往復ビンタも狼狽売りも、その人にとって大きすぎる金額を投じたときに起こります。下手なのは判断ではなく、金額の決め方であることがほとんどです。
関連する言葉
- 分散投資 複数の銘柄に分けて投資すること。1社の失敗で資産の大半を失う事態を防ぐ。
- 損切り(ロスカット) 損が出ている株を売って、損失を確定させること。傷が広がる前に止める行為。
- 退場(たいじょう) 資金を失い、株式投資そのものから撤退すること。
- 往復ビンタ 高値で買って安値で売り、その後に上がること。上下どちらの動きでも損をする。
- 最終更新
- 2026-09-16