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株を学ぶ / チャート

出来高が急に増えた日

平常時の何倍かで測る。増えた事実より、どちらに動いた日かと、その後戻るかが大事。

ひとことで言うと

その日に売買された株数が、いつもの何倍になったかを見ることです。

もう少しくわしく

出来高は、その日に売買が成立した株数です。

株価と違い、出来高には「高い・安い」がありません。 多いか少ないかは、その銘柄のいつもと比べてしか言えません。

出来高が急に増えた日株価の下に出来高と、その25日平均を並べ、平常時の何倍かを見る図。 株価 この日に急増 出来高25日平均 前日までの平均の8.7倍
株価出来高25日平均出来高(下の棒)急増した日の値動きの向きと、そのあと出来高が元に戻るかどうかを合わせて見る
静かな日が続いたあと、1日だけ出来高が跳ね上がった場面。下の線は出来高の25日平均。説明のための模式図です。実在の銘柄・企業の数値ではありません。

そこで、出来高の移動平均と比べます。

急増の度合い = その日の出来高 ÷ 前日までの25日平均

なぜ前日までなのか。当日を含めて平均を取ると、急増した当日の出来高そのものが平均を押し上げてしまうからです。倍率が小さく出ます。

実際の数字で見る

上の図の値で計算します。

株数
ふだんの出来高 18〜23万株
前日までの25日平均 20.7万株
急増した日の出来高 180万株

倍率を出します。

180万株 ÷ 20.7万株 = 8.7倍

そのあとの動きも大事です。

日 出来高
急増日 180万株
翌日 142万株
3日後 96万株
5日後 60万株
10日後 30万株

10日で、ほぼ元の水準に戻っています。

戻り方には2つの型があります。

その後の出来高 読み方
数日で元に戻る 一時の話題。関心は続かなかった
高い水準が続く 参加者そのものが入れ替わった

上の例は前者です。1日限りの出来事だったということになります。

ここに注意

出来高が増えたこと自体には、上げも下げもありません。

これを取り違えると、まっすぐ損をします。

出来高は売買が成立した株数です。売買が成立するには、売った人と買った人が同じ数だけいます。

出来高が増えたということは、買いたい人と売りたい人が同時に増えたということです。

「出来高が増えた=買われている」ではありません。どちらに動いた日かを必ずセットで見てください。

出来高 株価 起きたこと
急増 大きく上げた 買いたい人のほうが強かった
急増 大きく下げた 売りたい人のほうが強かった
急増 ほとんど動かない 大口が売り、大口が買った

3つ目が見落とされがちです。出来高だけ増えて値段が動かない日は、大きな持ち主が入れ替わった可能性があります。

もう3つ、知っておいてください。

1. 増えた理由を確かめてください。

出来高が急に増える理由は限られています。

理由 確かめる場所
決算・業績修正 適時開示
大きなニュース 適時開示、報道
指数への組み入れ・除外 取引所や指数の発表
株式分割 適時開示
特に何もない 注意が必要

最後が厄介です。理由が見当たらないのに出来高だけ跳ねることがあります。掲示板やSNSで話題になっただけ、ということが起こります。

このとき、買っているのは事情を知らない人ばかりという状態になりえます。

2. 急増した日の値段が、あとで壁になります。

その日に大量の株が売買されたということは、その値段で買った人が大量にいるということです。

株価が下げてから戻ってくると、その人たちのやれやれ売りが出ます。価格帯別出来高で、どの値段に株がたまっているかを確かめられます。

3. 出来高の少ない銘柄では、倍率が簡単に跳ねます。

ふだん1万株しか売買されない銘柄なら、10万株の注文が1本入るだけで10倍です。

小さな銘柄では、8.7倍という数字にほとんど意味がありません。 倍率だけでなく、株数そのものを見てください。

そのうえで、いちばん役に立つ使い方を書いておきます。

出来高の急増は、「調べるきっかけ」であって「売買の合図」ではありません。

急増した日を見つけたら、すること順に並べます。

  1. その日の値動きの向きを見る
  2. 適時開示を読む(理由があるか)
  3. その後の出来高が戻るかを見る(数日〜2週間)

この3つを済ませてから、持ち続けるか、買うか、売るかを考えてください。

出来高そのものは何も教えてくれません。何を調べるべきかを教えてくれるだけです。

この5年の日本株で、確かめてみた

2021年9月22日〜2026年10月30日

出来高が前日までの25日平均の5倍以上になった日は、株価が上げた日が9,174回、下げた日が6,373回ありました。

上げた日のあと、約1か月後に市場全体を上回っていたのは43.2%。半分より少ない結果です。

上げた日のうち32.6%は、約1か月後には急増の前日の終値を下回っていました。上げた分を、すべて失っていたことになります。

出来高が急に増えて、株価が上げた日の後

比べた時点件数市場全体を上回った割合市場全体との差(中央値)
約1か月後(20営業日)8,971件43.2%-1.8%
約3か月後(60営業日)8,682件42.2%-3.4%

出来高が急に増えて、株価が下げた日の後

比べた時点件数市場全体を上回った割合市場全体との差(中央値)
約1か月後(20営業日)6,172件45.9%-0.8%
約3か月後(60営業日)5,922件45.7%-1.6%
数え方と、読むときの注意
  • 定義は、このページの本文と同じです。都合のよい期間や条件に変えて数え直すことはしていません。
  • 「市場全体」は、同じ日に始めた全銘柄の値動きの中央値です。相場全体が上がった時期なら、何をしても「上がった」になるため、それと比べています。
  • 数えたのは、ふだんから売買されている銘柄だけです(前日までの25営業日の売買代金の平均が1億円以上。ETFなどは除く)。
  • 途中で上場をやめた会社も、やめるまでの株価は含めています。直近60営業日に起きたものは、まだ結果が出ていないため数えていません。
  • 株価が上げた日でいちばん多く起きた日は2024年10月30日で、70件(全体の0.8%)でした。同じ日に一斉に起きたものは、件数ほど別々の結果ではありません。
  • 株価が下げた日でいちばん多く起きた日は2026年10月29日で、55件(全体の0.9%)でした。同じ日に一斉に起きたものは、件数ほど別々の結果ではありません。
  • 比べる日に株価が無かったもの(上場廃止や売買停止など)が185件あり、結果が出ないため数えていません。
  • 売買の手数料や税金は含めていません。過去5年の結果で、この先のことは分かりません。当サイトは、この結果を銘柄を選ぶ条件には使っていません。

関連する言葉

  • 出来高(できだか) その日に売買が成立した株数。関心の大きさを表し、株価の動きの信頼度を測る材料になる。
  • 価格帯別出来高 どの値段でよく売買されたかを示す。多く売買された値段には、そこで買った人が多く残る。
  • セリング・クライマックス 投げ売りが一日に集中し、出来高が跳ね上がって下げ止まる場面。後からしか分からない。
  • 窓(ギャップ) チャートに現れる空白。前日の値段と当日の値段が離れて取引が始まったときにできる。
  • 適時開示 会社が重要な情報をその都度公表する制度。株価に影響する発表は、必ずここを通る。
最終更新
2026-09-18