セリング・クライマックス
投げ売りが一日に集中し、出来高が跳ね上がって下げ止まる場面。後からしか分からない。
ひとことで言うと
売りたい人が一斉に売り切って、出来高が跳ね上がった後に下げ止まる場面です。
もう少しくわしく
セリクラと略されます。日本語では投げ売り、セリング・クライマックスのほか、キャピチュレーション(降伏)という言い方もあります。
起きる仕組みはこうです。
- 株価が下げ続け、含み損を抱えた人が増える
- 耐えられなくなった人が、一斉に売る
- その日の出来高が普段の3〜10倍に跳ね上がる
- 売りたい人が売り終わる
- 売り圧力が消え、下げ止まる
要点は出来高です。普段の数倍の出来高で大きく下げた日は、多くの人が手放した日ということです。
そして手放した人は、もう売るものを持っていません。売り手がいなくなれば、下げは止まります。
実際の数字で見る
| 日 | 株価 | 前日比 | 出来高 |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 96円 | -8% | 44万株 |
| 2日目 | 86円 | -10% | 58万株 |
| 3日目 | 74円 | -14% | 82万株 |
| 4日目 | 58円 | -22% | 168万株 |
| 5日目 | 62円 | +7% | 104万株 |
| 6日目 | 70円 | +13% | 70万株 |
4日目の出来高は、1日目の約4倍です。この日に最も多くの人が売りました。
そして翌日から反発しています。売り切った後は、下げる力が残っていません。
ここに注意
セリング・クライマックスは、後になってからしか分かりません。
これが最大の問題です。
大きく下げて出来高が増えた日が、次のどちらなのか。その日には判断できません。
- 売り尽くしだった → ここから戻る
- 下げの途中だった → 翌日もっと下げる
実際、「セリクラだ」と言われた翌日にさらに20%下げる、ということは普通に起こります。出来高が増えたことは「多くの人が売った」という事実を示すだけで、それが最後かどうかは示しません。
もう一つ、重要な注意があります。
下げ止まることと、元の値段に戻ることは別です。
セリング・クライマックスの後、株価は反発します。しかしそれは下げすぎた分の戻りであって、業績が回復したわけではありません。
高値2,000円から500円まで下げた株が、600円まで戻ったとします。20%の反発ですが、高値からはまだ70%下です。ここから2,000円に戻るには、業績そのものが回復する必要があります。
そして、こうした場面で最も多い失敗があります。
「セリクラだ」という書き込みを見て買うこと。
SNSや掲示板で「セリクラ」という言葉が出るのは、たいてい大きく下げた日です。その判断が正しいかどうかは、書いた人にも分かっていません。
当サイトは、こうした場面の売買を扱っていません。出来高が急増した日に何が起きたかを知ることには意味がありますが、それを買いの合図として使うことは勧めていません。
関連する言葉
- 二番底 一度下げ止まった後、もう一度下げること。最初の反発を底と見て買うと損をする。
- 狼狽売り(ろうばいうり) 株価の急落に慌てて、冷静な判断をせずに売ってしまうこと。
- 出来高(できだか) その日に売買が成立した株数。関心の大きさを表し、株価の動きの信頼度を測る材料になる。
- 落ちてくるナイフ 急落中の株を買うことへの戒め。床に落ちて止まるまで拾うな、という言い方。
- 最終更新
- 2026-09-16