打診買い
まず少しだけ買って様子を見ること。「持ってみないと分からない」に対処する方法。
ひとことで言うと
まず少しだけ買って、様子を見ることです。
もう少しくわしく
打診とは、相手の様子をうかがうことです。買いたい銘柄があるとき、予定の一部だけを先に買います。
| 金額 | |
|---|---|
| 最終的に買いたい額 | 30万円 |
| 打診買い | 5万円 |
| 残り | 25万円(後で判断する) |
なぜこうするのか。理由は気持ちの問題です。
持っていない銘柄と、持っている銘柄は、違って見えます。
持っていないうちは、冷静に見られます。しかし実際に持つと、見方が変わります。
- 下げると不安になる
- 上げるともっと買えばよかったと思う
- 関係ないニュースが気になる
この変化は、持ってみるまで自分でも分かりません。
打診買いは、少額でこの変化を先に経験しておく方法です。5万円で落ち着いていられないなら、30万円では耐えられません。
握力(持ち続ける力)を、小さい金額で確かめるわけです。
実際の数字で見る
30万円を一度に入れた場合と、5万円で打診した場合を比べます。株価が20%下げたとします。
| 一度に30万円 | 打診5万円 | |
|---|---|---|
| 含み損 | −60,000円 | −10,000円 |
| そのときできること | 耐えるか、売るか | 買い増すか、やめるか |
金額の差だけではありません。取れる行動が違います。
30万円を入れきった人は、買い増す余力がありません。 耐えるか売るかの2択です。
5万円しか入れていない人には、25万円の余力が残っています。下げた理由を確かめて、納得できれば買い増せます。納得できなければ、5万円の損で済みます。
この差は、判断の質にも影響します。
余力がない人は「戻ってほしい」と願います。余力がある人は「本当に買い増す価値があるか」を考えます。同じ状況で、考えることが違ってきます。
ここに注意
打診買いは、結局すべて買うための儀式ではありません。
多くの人が、こうなります。
- 5万円で打診買いする
- 株価が上がる
- 「やはり良い株だった」と思って25万円を追加する
- そこが天井だった
これでは、高いところで大きく買っていることになります。打診買いの意味がありません。
正しい使い方は、買い増す条件を先に決めておくことです。
| 条件の例 | 中身 |
|---|---|
| 値段の条件 | 900円まで下げたら買い増す |
| 時間の条件 | 次の決算を見てから決める |
| 中身の条件 | 受注が増えたことを確認できたら |
「上がったから買い増す」は条件ではありません。それはただの追いかけです。
もう3つ、注意点があります。
1. 少額すぎると手数料が重くなります。
5万円の買いに手数料が275円かかれば、0.55%です。往復で1.1%。分けるほどこの比率は上がります。
手数料が無料になる金額の区分がある証券会社なら、そこを意識してください。
2. 打診で終わることを受け入れてください。
調べた結果、買い増す条件に届かなければ、5万円のまま持ち続けるか、売ることになります。
これは失敗ではありません。確かめた結果です。 30万円入れなくて済んだのですから、むしろ成功です。
3. 「様子を見る」の中身を決めておいてください。
漠然と様子を見ていても、何も分かりません。何を見るのかを先に決めます。
| 見るもの | いつ分かるか |
|---|---|
| 次の四半期決算 | 3か月以内 |
| 受注や販売の月次発表 | 毎月 |
| 新製品の売れ行き | 報道や適時開示 |
期限も決めてください。「半年見て何も変わらなければ、この銘柄は見送る」といった具合です。期限がないと、ただ持ち続けるだけになります。
最後に、この方法が向いている人を書いておきます。
「自分がどこまで耐えられるか分からない」という人です。
投資を始めたばかりなら、それが普通です。自分の耐えられる金額は、経験しないと分かりません。
打診買いは、その授業料を安く済ませる方法です。
関連する言葉
- 分割売買(買い下がり・売り上がり) 一度に売買せず、何回かに分けること。ナンピンと違い、買う前に計画を決めておく。
- ポジションサイズ 1回の取引にいくら投じるかの決め方。銘柄選びより結果を左右する。
- ノーポジ 株を1株も持っていない状態。何もしないことが積極的な判断になる場面もある。
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- 最終更新
- 2026-09-17