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株を学ぶ / 制度・仕組み

コーポレートガバナンス・コード

上場企業が守るべき行動原則。法律ではなく、従うか説明するかを選ぶ形をとる。

ひとことで言うと

上場企業が、株主に対してどうふるまうべきかを示した決まりごとです。

もう少しくわしく

コーポレートガバナンスとは、会社が誰のために経営されているかを正す仕組みのことです。日本語では「企業統治」と訳されます。

会社は、株主のお金で動いています。しかし経営するのは、株主ではなく経営陣です。ここにずれが生まれます。

立場 望むこと
株主 会社の価値が上がること
経営陣 自分の地位が続くこと

この2つは、いつも一致するとはかぎりません。株主の利益にならないのに、経営陣にとって都合がよいという判断が起こり得ます。

そこで2015年、東京証券取引所がコーポレートガバナンス・コードを定めました。

内容は多岐にわたりますが、柱は次のようなものです。

  • 株主の権利を守り、平等に扱う
  • 独立した社外取締役を置く
  • 政策保有株を減らし、持つ理由を毎年説明する
  • 情報を分かりやすく開示する
  • 株主と対話する

そして、このコードには大きな特徴があります。

法律ではありません。

実際の数字で見る

「従うか、説明するか」という仕組みをとっています。英語でコンプライ・オア・エクスプレインといいます。

会社の選択 必要なこと
従う(コンプライ) そのまま実行する
従わない(エクスプレイン) なぜ従わないかを説明する

従わなくても違法ではありません。 理由を説明すればよいのです。

具体的な数字が決まっている項目もあります。独立社外取締役の人数です。

市場 必要な人数
プライム市場 取締役の3分の1以上
スタンダード市場・グロース市場 2名以上

プライム市場の会社で計算してみます。

取締役の総数 必要な独立社外取締役 実際の割合
9名 3名以上 33.3%
10名 4名以上 40.0%
12名 4名以上 33.3%

取締役が10名の場合、3名では3分の1(33.3%)に届きません。3.33名以上が必要なので、4名になります。

独立社外取締役とは、その会社と利害関係のない外部の取締役です。取引先の役員や、その会社の出身者は含まれません。遠慮なく反対できる人を置く、という考え方です。

ここに注意

「コードを守っている」と書いてあっても、中身が伴っているとはかぎりません。

理由は2つあります。

1. 説明すれば従わなくてよいためです。

「当社の事業特性に鑑み、現時点では対応しておりません」といった説明で済ませることもできます。形式だけの説明でも、ルール上は問題ありません。

2. 人数を満たしていても、機能するとはかぎりません。

独立社外取締役を4名置いていても、取締役会で一度も反対意見が出ないなら、監視は働いていません。人数は形であって、中身ではありません。

では、投資家は何を見ればよいのか。3つあります。

1. コーポレート・ガバナンス報告書を読む。

上場企業は、この報告書を取引所に提出しています。東証のサイトや会社のIRページで、誰でも読めます。 従っていない項目と、その理由がここに書かれています。

理由が具体的か、それとも決まり文句かを見てください。

2. 政策保有株が減っているかを見る。

コードは政策保有株の縮減を求めています。言葉ではなく、金額が減っているかを有価証券報告書で確かめてください。減っていなければ、実行していないということです。

3. 株主総会での反対票を見る。

議案ごとの賛成率は公表されます。社長の選任に対する賛成率が80%を切っているなら、株主が納得していない表れです。

そして、投資判断としての位置づけを間違えないでください。

ガバナンスが良いことは、業績が良いことを意味しません。

体制が整っていても、儲からない会社はあります。逆に、体制が古くても稼ぐ会社もあります。

ガバナンスが教えてくれるのは、稼いだお金が株主のために使われるかどうかです。業績そのものは、別に確かめる必要があります。

関連する言葉

  • 株主総会 会社の重要事項を株主が決める会議。1株でも持っていれば議決権が得られる。
  • 政策保有株 取引関係の維持のために持つ他社の株。近年は縮減が求められている。
  • 議決権 株主総会で投票できる権利。原則として1単元につき1個で、単元未満株には付かない。
  • ROE(自己資本利益率) 株主から預かったお金を使って、1年でどれだけ利益を出せたかを示す割合。
  • 自社株買い 会社が自分の会社の株を市場から買い戻すこと。1株あたりの価値が高まる。
最終更新
2026-09-17