歩み値(あゆみね)
実際に成立した売買を時刻順に並べたもの。板が「これから」なら、歩み値は「起きたこと」。
ひとことで言うと
実際に成立した売買を、時刻の順に並べた記録です。
もう少しくわしく
板とよく並べて表示されますが、見ているものが正反対です。
| 何が見えるか | 時点 | |
|---|---|---|
| 板 | 出ている注文 | これから |
| 歩み値 | 成立した売買 | 起きたこと |
板に並んでいる注文は、取り消せます。 実際に売買される保証はありません。
歩み値に並んでいるのは、すでに成立したものです。取り消せません。
表示されるのは、おおむね次の3つです。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 時刻 | 何時何分何秒に成立したか |
| 値段 | いくらで成立したか |
| 株数 | 何株成立したか |
実際の数字で見る
同じ「出来高5,000株」でも、中身はまるで違います。
A … 少しずつ売買されている
| 時刻 | 値段 | 株数 |
|---|---|---|
| 10:01:12 | 1,000円 | 100株 |
| 10:03:45 | 1,001円 | 200株 |
| 10:05:02 | 1,000円 | 100株 |
| … | ||
| 合計 | 5,000株 |
B … 一度に売買されている
| 時刻 | 値段 | 株数 |
|---|---|---|
| 10:01:12 | 1,000円 | 100株 |
| 10:03:45 | 1,008円 | 4,800株 |
| 10:05:02 | 1,006円 | 100株 |
| 合計 | 5,000株 |
出来高はどちらも5,000株です。 しかしBでは、1回の注文で4,800株が動いています。
これは、まとまった資金を持つ誰かが買ったことを示しています。個人が100株ずつ買い集めたのとは、意味が違います。
さらに、Bではその注文で値段が8円上がっています。 板を食い上げたということです。
歩み値を見ると、こうした出来高の中身が分かります。
ここに注意
歩み値から「誰が買ったか」は分かりません。
ここを勘違いする人がいます。大口の約定を見て「機関投資家が買った」と考えてしまうのです。
分かりません。 表示されるのは時刻と値段と株数だけです。
| 分かること | 分からないこと |
|---|---|
| いつ | 誰が |
| いくらで | なぜ |
| 何株 | 買いなのか売りなのか(原則として) |
3つ目が重要です。多くの証券会社の歩み値には、売買の方向が表示されません。
1,008円で4,800株成立したとして、それが「買いたい人が売り注文を食った」のか「売りたい人が買い注文を食った」のかは、歩み値だけでは判別できません。
板と見比べれば推測できることもありますが、推測です。
もう3つ、実際的な注意があります。
1. 分割された注文は、大きく見えません。
大口の投資家は、わざと小さく分けて注文を出します。市場に気づかれないためです。
このため、「大口の買いがないから、まだ誰も買っていない」とは言えません。見えていないだけかもしれません。
2. 立会外の取引は歩み値に出ないことがあります。
取引所の時間外で行われる立会外取引は、通常の歩み値とは別に扱われます。大量の株が動いていても、ザラ場の歩み値には現れません。
3. 短期の売買をしないなら、見る必要はありません。
歩み値は、その日のうちに売買する人のための情報です。数年持つつもりの銘柄について、10時03分に何株成立したかを知っても、判断は変わりません。
このサイトは日々の売買を勧めていません。歩み値は「そういうものがある」と知っておけば十分です。
ただし、1つだけ役に立つ使い方があります。
売りたい銘柄が、普段どれくらいの株数ずつ成立しているかを見ることです。
いつも100株や200株ずつしか成立していない銘柄で、1,000株を成行で売れば、値段は大きく下がります。歩み値を見れば、自分の注文がその銘柄にとって大きいかどうかが分かります。
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- 最終更新
- 2026-09-17