カブシルベ KABUSHIRUBE
株を学ぶ / 相場の俗語

天井三日、底百日

天井は短く、底は長く続くという格言。売る機会は短く、買う機会は長い。

ひとことで言うと

天井にいる期間は短く、底にいる期間は長いという格言です。

もう少しくわしく

天井三日、底百日天井は短く鋭く、底は長く続くという形。上げる時間より下げた後の時間が長い。 株価 天井は数日 底は長く続く
株価天井で売る機会は短い。底では買う機会が長く続くが、その間ずっと下げているように見える
天井は数日で過ぎ去りますが、底の期間は長く続きます。帯で示した部分が、その「底百日」にあたります。説明のための模式図です。実在の銘柄・企業の数値ではありません。

上げ相場の頂点は、あっという間に過ぎます。 一方、底を這う期間は何か月も続きます。

なぜそうなるのか。人の感情の違いによります。

天井 底
支配する感情 強欲・熱狂 恐怖・諦め
感情の性質 短く激しい 長く続く
参加者 殺到する いなくなる

熱狂は長続きしません。全員が買ってしまえば、買う人がいなくなります。

一方、恐怖と諦めは長引きます。一度損をした人は、しばらく戻ってきません。 その間、株価は動かないまま低い水準にとどまります。

実際の数字で見る

この格言が投資家に与える意味は、売りと買いで難易度が違うということです。

天井で売る 底で買う
機会の長さ 数日 数か月
難易度 極めて高い 比較的低い
外したとき 大きく下げる さらに待てばよい

天井を狙って売ろうとすれば、ほぼ確実に外します。 数日しかない期間を当てる必要があるためです。

底で買う場合は違います。数か月あるので、多少ずれても大きな差にはなりません。

上の図の値をそのまま使います。図の全体はおよそ1年ぶんです。

底のまわりでは、株価は上下しながら約6か月ものあいだ、狭い範囲を行き来しています。

値段
いちばん安かった日 77円
いちばん高かった日 88円
この6か月の値幅 14%

この6か月のどこで買っても、最安値との差は14%以内です。底を当てる必要がありません。

天井はこうなりません。同じ図の天井は172円でした。

売った時期 売値 天井との差
天井のちょうど 172円 —
1日ずれる 168円 -2%
2日ずれる 148円 -14%
3日ずれる 128円 -26%

6か月かけてもせいぜい14%しか変わらない買いと、3日ずれただけで26%変わる売り。 これが「天井三日、底百日」の中身です。

なお、底の6か月のあいだ、株価は何度も下げ直しています。 77円で買えた人も、その後78円・79円・80円と戻る途中で、また77円を割るのではないかと何度も不安になります。値幅が小さいことと、待つのが楽なことは、別の話です。

ここに注意

「底は長い」ということは、買った後も長く動かないということです。

ここが最も重要な点です。

底で買えたとしても、そこから上がり始めるまで何か月も待つことになります。その間、次のことが起きます。

  • 株価が動かない
  • 他の銘柄が上がっているのを見る
  • 「この株は間違いだったのでは」と思い始める
  • 耐えられず売る

そして売った後に上がり始めます。底で買えたのに、上がる前に降りるという結果です。

対処は2つです。

1. 底で買うつもりなら、動かない期間を覚悟しておく。

「買ってすぐ上がる」を期待していると、必ず耐えられなくなります。半年から1年動かないことを前提に、金額を決めてください。

2. 株価ではなく、業績で判断する。

株価が動かなくても、業績が改善していれば、買った理由は崩れていません。 決算を確認すれば、待つべきかどうかが分かります。

そして、この格言には注意すべき読み方があります。

「底は長いから、まだ買える」と考えて、いつまでも買わない人がいます。

これは押し目待ちに押し目なしと同じ罠です。底が長いのは事実ですが、それがいつ終わるかは分かりません。

分けて買えば、この問題は減らせます。

最後に、この格言が示す現実を書いておきます。

上がるのに要する時間より、下げた後に待つ時間のほうが長いのが普通です。

日経平均がバブル後の高値を回復するまで34年かかりました。個別の銘柄でも、同じことは起こります。

だからこそ、買う金額は待てる範囲に抑えておく必要があります。

関連する言葉

  • もうはまだなり、まだはもうなり 「もう底だ」と思ったときはまだ下がり、「まだ下がる」と思ったときには底を打っている。
  • 二番底 一度下げ止まった後、もう一度下げること。最初の反発を底と見て買うと損をする。
  • ヨコヨコ 上にも下にも動かず横ばいが続く状態。損はしていないが、資金と時間は拘束されている。
  • 閑散に売りなし 売買が細って値動きが乏しいときは、売り込んでも下がりにくいという古い格言。
最終更新
2026-09-18
訂正
2026-09-18 底のまわりの買値として「1か月後 78円」「3か月後 80円」と書いていましたが、この図の株価は上下しており、安い日だけを選んだ数字でした。底の期間の値幅(77円〜88円)で示す形に書き直しました。