PTS(私設取引システム)
証券取引所の時間外でも株を売買できる仕組み。値段が取引所とずれることがある。
ひとことで言うと
証券取引所が閉まっている時間でも、株を売買できる仕組みです。
もう少しくわしく
PTSは Proprietary Trading System の略。日本語では私設取引システムです。
証券取引所は、平日の9時から15時30分までしか開いていません。しかし決算発表や重要なニュースは、取引が終わった後に出ます。
夜のうちに悪いニュースを知っても、翌朝9時まで何もできない。この待ち時間をなくすために作られたのがPTSです。
日本ではジャパンネクスト証券とCboeジャパンが運営しています。利用できる時間は、おおむね次のとおりです。
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 8:20〜16:00 | デイタイム・セッション |
| 16:30〜翌6:00 | ナイトタイム・セッション |
夜間に売買できることが、最大の特徴です。
すべての証券会社が対応しているわけではありません。SBI証券、楽天証券、松井証券などが取り扱っています。口座の設定で利用できるかを確認してください。
実際の数字で見る
決算発表の夜に、PTSで何が起きるかを見ます。
| 時刻 | 場所 | 値段 |
|---|---|---|
| 15:30 | 東証 終値 | 2,400円 |
| 15:45 | - | 下方修正を発表 |
| 16:40 | PTS | 2,120円 |
| 21:00 | PTS | 2,050円 |
| 翌9:00 | 東証 始値 | 2,030円 |
PTSでは、発表からわずか1時間後に2,120円で取引されています。
翌朝の東証の始値は2,030円でした。つまりPTSの夜間価格は、翌日の始値をある程度先取りしていたことになります。
夜のうちに売れた人は、翌朝まで待った人より高く売れました。
ここに注意
PTSの値段は、参加者が少ないため信頼性が落ちます。
東証の売買代金が1日数兆円であるのに対し、PTSはその数%程度です。夜間はさらに少なくなります。
参加者が少ないと、次のことが起こります。
1. わずかな注文で値段が大きく動きます。
数百株の買い注文だけで、5%上がることがあります。その値段は、市場の総意ではありません。 翌朝の東証で、まったく違う値段に戻ることがあります。
2. 売りたくても買い手がいないことがあります。
「夜間に逃げられる」と考えていても、買う人がいなければ約定しません。 悪材料が出た直後は、まさにその状態になります。
3. 値段が飛びます。
板が薄いため、1,000円の次が1,080円、ということが起こります。成行注文は危険です。 指値を使ってください。
もう一つ、重要な注意があります。
PTSの値段を見て慌てないでください。
夜にPTSで8%下げているのを見ると、強い不安を感じます。しかしそれは、少数の人がつけた値段です。翌朝には3%の下げで済んでいた、ということは普通にあります。
当サイトが扱うのは数か月から数年の投資です。その時間軸では、夜間の値動きに反応する必要はありません。
PTSが本当に役立つのは、次のような場面に限られます。
- 昼間に取引できない仕事をしている(夜に注文を出せる)
- 上場廃止や不祥事など、構造的な変化が起きたとき
前者は実用的な使い方です。後者は、待つことに意味がないと判断できる場合に限ります。
「夜のうちに反応できる」ことは、必ずしも有利ではありません。 反応する機会が増えることは、誤る機会が増えることでもあります。
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- 最終更新
- 2026-09-16