PEGレシオ
PERを利益の成長率で割った数字。成長を加味して割高・割安を見る。
ひとことで言うと
PERを、利益の成長率で割った数字です。成長の速さを加味して割安さを見ます。
もう少しくわしく
PEGレシオ = PER ÷ 利益の成長率(%)
PERだけでは、成長の速さが考慮されません。
| A社 | B社 | |
|---|---|---|
| PER | 30倍 | 12倍 |
| 利益の成長率 | 年30% | 年4% |
| PEGレシオ | 1.0 | 3.0 |
PERだけを見れば、B社のほうが割安に見えます。
しかしA社は年30%で成長しています。3年後の利益は今の約2.2倍です。そのときPERは実質14倍まで下がります。
成長を加味すると、A社のほうが割安という見方になります。これがPEGレシオの考え方です。
目安として語られる水準です。
| PEGレシオ | 見方 |
|---|---|
| 1.0未満 | 割安とされる |
| 1.0〜2.0 | 一般的 |
| 2.0超 | 割高とされる |
成長率と同じだけのPERなら妥当(PEG=1.0)という考え方が元になっています。
実際の数字で見る
PER30倍の会社が、成長率によってどう評価されるかを見ます。
| 成長率 | PEGレシオ | 見方 |
|---|---|---|
| 年50% | 0.6 | 割安 |
| 年30% | 1.0 | 妥当 |
| 年15% | 2.0 | 割高 |
| 年5% | 6.0 | かなり割高 |
同じPER30倍でも、成長率しだいで評価が正反対になります。
そして、成長率が3年後の利益に与える影響です。
| 成長率 | 3年後の利益 |
|---|---|
| 年30% | 2.20倍 |
| 年15% | 1.52倍 |
| 年5% | 1.16倍 |
複利で効くため、差は年々開きます。
ここに注意
成長率をどう決めるかで、答えがまったく変わります。ここが最大の弱点です。
分母に何を入れるか、決まりがありません。
| 使う数字 | 問題 |
|---|---|
| 過去の成長率 | 過去が続く保証はない |
| 会社の業績予想 | 会社が自分で出した数字 |
| アナリストの予想 | 外れる。人によって違う |
どれを使うかで、PEGレシオは2倍にも半分にもなります。
たとえば直近1年だけ利益が急増した会社では、過去の成長率が異常に高く出ます。PEGレシオは極端に小さくなり、割安に見えます。 しかしそれは一度きりの利益かもしれません。
そして、より根本的な問題があります。
高い成長率は、長くは続きません。
年30%で成長し続ければ、10年で利益は約14倍になります。20年なら約190倍です。そんな会社はほとんど存在しません。
成長率は、規模が大きくなるほど下がります。PEGレシオは今の成長率が続く前提で計算するため、成長企業ほど割安に見えてしまうという偏りがあります。
使うなら、次の条件を守ってください。
- 成長率は3〜5年の平均を使う(1年だけの数字を使わない)
- 赤字の年を含む場合は計算しない(意味のない値になる)
- PEGだけで判断しない
当サイトはPEGレシオを表示していません。理由は2つです。
- 分母の成長率に、機械的に決められる正解がない
- 当サイトが表示する財務データは直近期のもので、成長率を安定して計算できる年数がない
関連する言葉
- PER(株価収益率) 会社が1年で稼ぐ利益に対して、株価が何倍かを示す数字。低いほど割安とされる。
- 成長株(グロース株) 売上と利益が伸び続けている会社の株。期待が高いぶん、失速したときの下げも大きい。
- EPS(1株あたり利益) 会社の利益を株の数で割った数字。株1つが1年でいくら稼いだかを表す。
- 割安株(バリュー株) 会社の実力より株価が安く放置されている株。安い理由があるだけの場合もある。
- 最終更新
- 2026-09-16