株を学ぶ / チャート
対数チャート
縦軸を比率で取ったチャート。長期の値動きを見るときは、こちらが正しい。
ひとことで言うと
縦軸を金額ではなく「何倍になったか」で取ったチャートです。
もう少しくわしく
どちらもまったく同じ系列(毎年12%ずつ増える)。普通の軸では最近だけ急に伸びたように見える
普通のチャートは、縦軸の1目盛りが同じ金額です。
| 目盛り | 普通の軸 |
|---|---|
| 100円 → 200円 | 100円分の高さ |
| 1,000円 → 1,100円 | 同じく100円分の高さ |
しかし投資家にとって、この2つはまったく違います。
- 100円 → 200円 … 2倍(資産が倍になる)
- 1,000円 → 1,100円 … 10%
同じ高さで描かれているのに、意味が10倍以上違います。
対数チャートでは、縦軸を比率で取ります。
| 目盛り | 対数の軸 |
|---|---|
| 100円 → 200円(2倍) | 一定の高さ |
| 1,000円 → 2,000円(2倍) | 同じ高さ |
| 10,000円 → 20,000円(2倍) | 同じ高さ |
どの水準でも、同じ倍率が同じ高さになります。
実際の数字で見る
毎年12%ずつ増える系列を、30年分見ます。
| 年 | 金額 | その年の増加額 |
|---|---|---|
| 0年 | 100円 | — |
| 10年 | 311円 | 33円 |
| 20年 | 965円 | 103円 |
| 30年 | 2,996円 | 321円 |
増加率は毎年12%で一定です。しかし増加額は33円→321円と、10倍に増えています。
普通の軸で描くと、最後の10年だけ急に伸びたように見えます。 実際には、最初の10年とまったく同じ速さで増えています。
対数の軸なら、まっすぐな線になります。速さが一定であることが、形から分かります。
ここに注意
長期のチャートを普通の軸で見ると、過去の大きな下落が小さく見えます。
これが最も実害のある点です。
日経平均で考えます。
| 出来事 | 変化 | 下落率 |
|---|---|---|
| 1990年 バブル崩壊 | 38,900円 → 14,300円 | -63% |
| 2008年 金融危機 | 18,300円 → 7,000円 | -62% |
| 2020年 コロナ急落 | 24,000円 → 16,400円 | -32% |
下落率はほぼ同じ1990年と2008年ですが、普通の軸で描くと、1990年の下げのほうがはるかに大きく見えます。 金額の差が大きいためです。
長期チャートを普通の軸で見ると、次の錯覚が生まれます。
- 昔の下落は小さかった(実際は同じかそれ以上)
- 最近の上昇は異常だ(実際は同じ率かもしれない)
「過去に例のない上昇」と言われるとき、それが金額の話か率の話かを確認してください。
使い分けの目安です。
| 見る期間 | どちらの軸 |
|---|---|
| 数日〜数か月 | 普通の軸で十分 |
| 数年以上 | 対数の軸 |
| 10倍以上動いたもの | 対数の軸でないと形が潰れる |
多くの証券会社のチャートには、対数表示に切り替えるボタンがあります。長期チャートを見るときは切り替えてください。
なお、当サイトは現時点で株価チャートの表示機能を持っていません。財務データを中心に扱っており、売上高や営業利益の推移は表で示しています。 表であれば、金額と増加率の両方を並べられます。
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- 最終更新
- 2026-09-16