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株を学ぶ / 制度・仕組み

証券取引等監視委員会

市場の不正を調べる組織。自ら罰は下さず、金融庁への勧告と検察への告発を行う。

ひとことで言うと

株式市場で不正が行われていないかを調べる、国の組織です。

もう少しくわしく

略して監視委、英語の略称からSESCとも呼ばれます。金融庁の中に置かれています。

1992年にできました。きっかけは、大手証券会社による損失の穴埋めが明るみに出た事件です。市場を見張る独立した組織が必要だ、という反省から生まれました。

仕事は大きく4つあります。

仕事 中身
市場の監視 日々の売買を見て、不自然な動きを探す
検査 証券会社などに立ち入って調べる
課徴金の調査 インサイダー取引や開示違反を調べる
犯則調査 悪質なものを強制的に調べ、検察に告発する

ここで、多くの人が誤解する点があります。

監視委員会は、自分で罰を下しません。

調べた結果をどうするかは、相手に渡されます。

調べた結果 渡す先 その後
課徴金にあたる 金融庁長官に勧告 金融庁が納付を命じる
悪質で刑事事件にあたる 検察官に告発 検察が起訴するか決める
制度に問題がある 金融庁長官などに建議 制度の見直しにつながる

つまり監視委員会は、調べて突きつける役です。罰を決めるのは金融庁と裁判所です。

実際の数字で見る

インサイダー取引が見つかってから、処分に至るまでの流れを追います。

順番 誰が 何をするか
1 証券取引所 不自然な売買に気づき、監視委に伝える
2 監視委員会 売買記録を調べ、関係者から話を聞く
3 監視委員会 金融庁長官に課徴金納付命令の勧告
4 金融庁 課徴金の納付を命じる
5 金融庁 命令の内容を公表する

悪質な場合は、3から先が変わります。監視委員会が検察官に告発し、刑事事件になります。

課徴金の額は、違反で得た利益をもとに計算されます。 「儲けた分は返させる」という考え方です。得をしたままにはさせません。

なお、監視委員会の調査は強制調査権を持ちます。裁判官の令状を取り、相手の同意がなくても資料を押収できます。

ここに注意

個人投資家にとって、この組織は「情報を伝える窓口」でもあります。

監視委員会は、一般からの情報提供を受け付けています。 ウェブサイトに専用の窓口があり、匿名でも送れます。

伝えるべきものの例です。

  • 無登録の業者が銘柄を売り込んでくる
  • 「必ず儲かる」と断定して勧誘された
  • 上場企業がうその開示をしている疑いがある
  • 相場操縦とみられる不自然な売買がある

もう1つ、知っておくべきことがあります。

インサイダー取引は、驚くほど見つかります。

「少額だから分からないだろう」と考える人がいますが、売買の記録はすべて残っています。 取引所は日々の売買を機械で監視しており、重要な発表の直前に買った口座は自動的に洗い出されます。

そこから、発表を知り得た立場の人との関係がたどられます。会社の同僚、取引先、家族、友人まで調べられます。

そして、自分は会社と関係がなくても成立します。

  • 会社員の夫から妻が聞いて買った
  • 取引先の担当者から飲み会で聞いて買った
  • 会社の書類をたまたま見て買った

これらはすべてインサイダー取引にあたり得ます。「聞いただけ」「知っただけ」で買えば違反です。

発表前の情報を耳にしたときの正しい対応は、1つだけです。

その銘柄を売買しないことです。

関連する言葉

  • 金融商品取引法 投資家を守るための基本の法律。開示義務、インサイダー規制、無登録業者の禁止などを定める。
  • インサイダー取引 公表前の重要情報を知って売買する犯罪。知人から聞いた場合も処罰の対象になる。
  • 適時開示 会社が重要な情報をその都度公表する制度。株価に影響する発表は、必ずここを通る。
  • 投資者保護基金 証券会社が破綻したとき、1,000万円まで補償する仕組み。貸株は対象外。
  • 有価証券報告書 年に一度、監査を受けて提出される会社の正式な報告書。数字の信頼性が最も高い資料。
最終更新
2026-09-17