カブシルベ KABUSHIRUBE
株を学ぶ / チャート

十字線(同事線・ドージ)

始値と終値がほぼ同じで、実体のない足。上下に動いたが決着がつかなかった1日。

ひとことで言うと

始まりと終わりの値段がほぼ同じで、十字の形になったローソク足です。

もう少しくわしく

同事線(どうじせん)、英語からドージとも呼ばれます。

十字線(同事線)始値と終値がほぼ同じで、実体がほとんどない足。上下に迷った形。 上には行けなかった 始値と終値が同じ
陽線陰線上下に動いたが、結局もとの値段に戻った1日。上げの後に出れば勢いが鈍ったとされる
上げてきた後に出た十字線。上下に動いたが、始値と同じ値段で終わっている。説明のための模式図です。実在の銘柄・企業の数値ではありません。

ローソク足は、実体(始値と終値のあいだ)とヒゲ(高値と安値まで)でできています。

十字線は、実体がほとんどありません。 始値と終値が同じだからです。

その日に何が起きたのか。

時間 出来事
寄り付き 109円で始まった
日中 114円まで上げた(上ヒゲ)
日中 106円まで下げた(下ヒゲ)
大引け 109円。始値に戻った

上にも下にも動いたのに、終わってみれば元の値段です。

買いたい人と売りたい人の力が釣り合った、という読み方をします。

実際の数字で見る

十字線には、ヒゲの出方で名前がついています。

名前 形 言われていること
十字線 上下にヒゲ 迷い
トウバ(塔婆) 上ヒゲだけ長い 上値が重い
トンボ 下ヒゲだけ長い 下値が堅い
一本線 ヒゲもない 値がほとんど動かなかった

トウバを数字で見ます。

値段
始値 1,000円
高値 1,080円
安値 998円
終値 1,000円

一度8%上げたのに、すべて押し戻されました。 上ヒゲが80円、下ヒゲは2円です。

これは「買いたい人が上に押し上げたが、売りに押し返された」という形です。上げた後にこれが出ると、上値が重いと読まれます。

トンボはその逆です。下げたところを買い戻され、始値まで戻っています。下げた後に出れば、下値が堅いと読まれます。

ここに注意

十字線は「迷い」を表しますが、その後どちらに動くかは示していません。

ここが最も誤解されます。「十字線が出たから転換だ」という使い方はできません。

十字線の後 起きること
上げに転じる ある
下げに転じる ある
そのまま同じ方向に進む これも多い

迷った翌日に、もとの方向へ進み直すことはよくあります。「迷い」は「転換」ではありません。

もう3つ、実際的な注意があります。

1. 「ほぼ同じ」の基準がありません。

始値と終値がぴったり同じことは、そう多くありません。1円違ったら十字線ではないのか。 決まりはありません。

見る人が「実体が小さいから十字線だ」と判断しています。主観が入ります。

2. 値動きの小さい銘柄では、毎日のように出ます。

1日の値動きが0.3%程度の銘柄なら、実体は常に小さくなります。 これを十字線と呼んでも、意味はありません。

その銘柄の普段の実体の大きさと比べて、明らかに小さいかどうかを見てください。

3. 寄り付きと大引けだけを見た形です。

ローソク足は、4つの値段しか記録していません。 日中にどういう順番で動いたかは分かりません。

実際に起きたこと ローソク足
朝に上げて、午後に下げた 同じ十字線
朝に下げて、午後に上げた 同じ十字線

まったく違う1日が、同じ形になります。これは歩み値を見ないと分かりません。

そのうえで、この形の使いどころです。

単独ではなく、出た場所とあわせて見てください。

大きく上げ続けた後に、出来高を伴ってトウバが出た。これは「上で売りたい人が出てきた」という材料の1つにはなります。

しかし、それだけで売る理由にはなりません。業績に変化がないかを確かめる合図として使うのが適切です。

関連する言葉

  • ローソク足 1日(または1週間など)の始値・終値・高値・安値を、1本の図形で表したもの。
  • はらみ線とつつみ線 2本のローソク足の実体が内側に収まるか外側を包むか。どちらも転換の合図とされる。
  • 酒田五法 江戸時代の米相場から伝わるローソク足の型。三山・三川・三空・三兵・三法の5つ。
  • 寄り付きと大引け 取引の始まりと終わりのこと。この2つの時間帯に売買が集中し、値動きも大きくなる。
  • だまし 買いや売りのサインが出たのに、直後に反対方向へ動いてしまうこと。
最終更新
2026-09-17