はらみ線とつつみ線
2本のローソク足の実体が内側に収まるか外側を包むか。どちらも転換の合図とされる。
ひとことで言うと
2本のローソク足の大きさを比べて、内側か外側かで呼び分ける形です。
もう少しくわしく
比べるのは実体(始値と終値のあいだ)です。ヒゲは含めません。
| 名前 | 形 | 言われていること |
|---|---|---|
| はらみ線 | 2本目が1本目の実体に収まる | 勢いが止まった |
| つつみ線 | 2本目が1本目の実体を包む | 前日を打ち消した |
はらみという名前は、母親のお腹の中に子どもがいる形に見えることから来ています。「はらみ足」「インサイドバー」とも呼ばれます。
つつみは「包み線」「抱き線」「アウトサイドバー」とも呼ばれます。
読み方の考え方は、どちらも同じです。
値動きの幅が、前日と比べてどう変わったか。
はらみは幅が縮んだ形です。動きが小さくなった、つまり迷いが出ていると読みます。
つつみは幅が広がった形です。しかも前日と逆の方向に動いています。前日の売買をすべて飲み込んだと読みます。
実際の数字で見る
はらみ線の例です。
| 始値 | 終値 | 実体の範囲 | |
|---|---|---|---|
| 1本目(陰線) | 118円 | 102円 | 102〜118円 |
| 2本目(陽線) | 106円 | 112円 | 106〜112円 |
2本目の実体(106〜112)が、1本目の実体(102〜118)の中に完全に収まっています。
つつみ線の例です。
| 始値 | 終値 | 実体の範囲 | |
|---|---|---|---|
| 1本目(陰線) | 113円 | 101円 | 101〜113円 |
| 2本目(陽線) | 99円 | 117円 | 99〜117円 |
2本目の実体(99〜117)が、1本目(101〜113)を外側から包んでいます。
つつみ線で起きていることを、時間の順に追うとこうなります。
| 順番 | 出来事 |
|---|---|
| 1本目 | 113円から101円まで下げた |
| 2本目の寄り付き | 99円。さらに安く始まった |
| 2本目の引け | 117円。前日の始値も超えた |
前日下げた分をすべて取り返し、さらに上に抜けています。 だから「打ち消した」と表現されます。
ここに注意
どちらも、出る場所によって意味が変わります。形だけを見ても分かりません。
同じ形でも、上げの途中に出るか、天井付近に出るかで読み方が変わります。
| 出る場所 | はらみ線 | つつみ線 |
|---|---|---|
| 下げた後 | 下げ止まりとされる | 上への転換とされる |
| 上げた後 | 上げ止まりとされる | 下への転換とされる |
| 横ばいの途中 | 意味がない | 意味がない |
横ばいの相場では、この形は何度でも出ます。 そのたびに転換と読んでいたら、往復するだけです。
そして、より根本的な問題があります。
「転換した」と分かるのは、転換した後です。
つつみ線が出た翌日に下げれば、それは転換ではありませんでした。しかし下げた例は誰も取り上げません。 転換した例だけが教科書に載ります。
もう3つ、注意点があります。
1. ヒゲは見ていません。
実体だけを比べるので、ヒゲがどれだけ長くても関係ありません。 実体が小さければ、上下に大きく動いた日でも「はらみ」になります。
値動きが小さかったと読むのは、正確ではない場合があります。
2. 出来高を確かめてください。
つつみ線が出たとき、2本目の出来高が増えているかを見てください。
| 読み方 | |
|---|---|
| 出来高を伴っている | 多くの人が売買した。意味がある可能性 |
| 出来高が細い | 少ない売買で形ができただけ |
3. 週足や月足でも同じ形が出ます。
日足で見るか週足で見るかで、まったく違う判断になります。どの時間軸で見ているかを意識してください。
長く持つつもりなら、日足のローソク足2本で判断する意味はほとんどありません。
最後に、この形の使いどころです。
買う理由にはなりませんが、「注意して見る合図」にはなります。
持っている株に、上げた後のつつみ線(陰線)が出たら、決算や適時開示を確かめてみる。 そのきっかけとして使うなら、害はありません。
関連する言葉
- ローソク足 1日(または1週間など)の始値・終値・高値・安値を、1本の図形で表したもの。
- 十字線(同事線・ドージ) 始値と終値がほぼ同じで、実体のない足。上下に動いたが決着がつかなかった1日。
- 酒田五法 江戸時代の米相場から伝わるローソク足の型。三山・三川・三空・三兵・三法の5つ。
- だまし 買いや売りのサインが出たのに、直後に反対方向へ動いてしまうこと。
- 出来高(できだか) その日に売買が成立した株数。関心の大きさを表し、株価の動きの信頼度を測る材料になる。
- 最終更新
- 2026-09-17