源泉徴収あり・なしの選び方
特定口座の2つの方式。手間と、扶養や社会保険への影響が変わる。
ひとことで言うと
税金を証券会社が自動で納めるか、自分で申告するかの選択です。
もう少しくわしく
証券口座には3種類あります。
| 口座 | 損益の計算 | 納税 |
|---|---|---|
| 特定口座(源泉徴収あり) | 証券会社 | 証券会社が自動で |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 証券会社 | 自分で確定申告 |
| 一般口座 | 自分で | 自分で確定申告 |
一般口座は、自分で1件ずつ損益を計算します。手間が大きいため、特別な事情がなければ選びません。
実質的な選択は、特定口座の「源泉徴収あり」か「なし」です。
| 源泉徴収あり | 源泉徴収なし | |
|---|---|---|
| 確定申告 | 原則不要 | 必要 |
| 税金が引かれる時 | 売却のたび | 申告後 |
| 手間 | ほぼない | かかる |
| 年間取引報告書 | もらえる | もらえる |
多くの人には「源泉徴収あり」が向いています。 何もしなくてよいためです。
ただし、状況によっては「なし」のほうが有利になります。
実際の数字で見る
給与所得者で、年間の利益が20万円以下の場合を見ます。
給与を1か所から受けていて、給与以外の所得が年20万円以下なら、所得税の確定申告は不要とされています。
| 源泉徴収あり | 源泉徴収なし | |
|---|---|---|
| 年間の利益 | 15万円 | 15万円 |
| 引かれる所得税など | 約30,472円 | 0円 |
| 確定申告 | 不要 | 所得税は不要 |
源泉徴収ありだと、申告不要の範囲なのに引かれてしまいます。
取り戻すには確定申告が必要で、そうすると申告不要の利点がなくなります。
ただし、大きな落とし穴があります。
所得税の申告は不要でも、住民税の申告は必要です。
「20万円以下は申告不要」というのは所得税の話です。住民税にこの規定はありません。市区町村への申告が必要になります。
これを知らずに何もしないと、申告漏れになります。
ここに注意
扶養に入っている方は、源泉徴収ありを選んでください。
これが最も重要な注意点です。
「源泉徴収なし」で確定申告をすると、その利益が合計所得金額に加算されます。
| 影響するもの | 何が起きるか |
|---|---|
| 配偶者控除・扶養控除 | 所得が基準を超えると外れる |
| 国民健康保険料 | 上がる |
| 各種の給付・助成 | 所得制限にかかることがある |
「源泉徴収あり」で申告しなければ、この所得は合計所得金額に含まれません。
専業主婦(主夫)の方、学生の方、年金だけで暮らしている方は、源泉徴収ありを選ぶほうが安全です。数万円の税金を取り戻そうとして、扶養から外れて家族全体の負担が増えることがあります。
もう4つ、知っておいてください。
1. 損失が出た年は、どちらでも申告する価値があります。
損失は3年間繰り越せます(繰越控除)。翌年以降の利益と相殺できます。
ただし、申告しなければ繰り越せません。 源泉徴収ありでも、損失の年は申告したほうがよい場合があります。
2. 複数の証券会社を使っている場合も申告で得することがあります。
A社で30万円の利益、B社で20万円の損失。この場合、A社では30万円に課税されています。
確定申告で損益通算すれば、差引10万円分の課税で済みます。払いすぎた分が戻ります。
3. 途中で変更できます。
年の途中で「あり」から「なし」に変えることは、その年に売却がなければ可能です。証券会社によって手続きが異なります。
年ごとに選び直せるので、状況が変われば見直してください。
4. NISAは別枠です。
NISA口座での利益には税金がかかりません。源泉徴収ありもなしも関係ありません。
そのうえで、選び方をまとめます。
| こういう方 | おすすめ |
|---|---|
| 会社員・自営業で、手間をかけたくない | 源泉徴収あり |
| 扶養に入っている | 源泉徴収あり |
| 給与所得者で利益が年20万円以下に収まる | 源泉徴収なし(住民税の申告は必要) |
| 損失が出た/複数社を使っている | どちらでも。申告して通算する |
迷ったら「源泉徴収あり」です。 不利になる場面が少なく、必要なときは申告して取り戻せます。
なお、税の扱いはその人の状況で変わります。判断に迷う場合は税務署または税理士に確認してください。 このサイトは情報を提供するものであって、税務の助言をするものではありません。
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- 最終更新
- 2026-09-18