騰落レシオ
値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比。個別銘柄ではなく市場全体の偏りを見る。
ひとことで言うと
市場全体で、上がった銘柄と下がった銘柄のどちらが多いかを表した数字です。
もう少しくわしく
これまでの指標は、1つの銘柄の値動きから計算するものでした。騰落レシオは違います。市場に上場している全銘柄を数えます。
計算はこうです。
25日間の値上がり銘柄数の合計 ÷ 25日間の値下がり銘柄数の合計 × 100
読み方の目安です。
| 値 | 意味 | 言われていること |
|---|---|---|
| 120以上 | 値上がりが値下がりの1.2倍 | 買われすぎ |
| 100 | 同数 | どちらでもない |
| 70以下 | 値上がりが値下がりの0.7倍 | 売られすぎ |
なぜこれを見るのか。日経平均だけでは、市場の中身が分からないためです。
日経平均は225銘柄の指数です。そのうち数銘柄が大きく上げれば、指数は上がります。 残りの銘柄が下げていてもです。
騰落レシオは、何銘柄が上げたかを数えます。指数の裏側が見えます。
実際の数字で見る
指数と騰落レシオが食い違う場面を見ます。
| 日経平均 | 値上がり銘柄 | 値下がり銘柄 | |
|---|---|---|---|
| A日 | +250円 | 480社 | 1,080社 |
| B日 | +250円 | 1,150社 | 410社 |
日経平均はどちらも同じだけ上がっています。 しかし中身はまるで違います。
A日は、上がった銘柄より下がった銘柄のほうが多いのに、指数は上がりました。値がさ株(株価の高い銘柄)が指数を押し上げたためです。
この日に「相場は上がった」と思って買うと、下がっている側の銘柄を買ってしまう可能性のほうが高いことになります。
25日分をまとめた数字も見ます。
| 25日間の合計 | |
|---|---|
| 値上がり銘柄数 | 24,000社 |
| 値下がり銘柄数 | 20,000社 |
| 騰落レシオ | 120.0 |
24,000 ÷ 20,000 × 100 = 120
「買われすぎ」の目安に届いた、ということになります。
ここに注意
この指標は、個別銘柄には使えません。ここを間違える人がいます。
騰落レシオが70でも、あなたの持っている銘柄が売られすぎとはかぎりません。 市場全体が下げている中で、上げ続けている銘柄もあります。
使い方は「市場全体の温度計」です。個別の判断材料ではありません。
もう2つ、知っておくべきことがあります。
1. 数え方が1つではありません。
| 決めごと | ばらつき |
|---|---|
| 対象 | 東証プライム全銘柄/全市場/日経225 |
| 日数 | 25日が一般的。6日・10日もある |
どの範囲を、何日で計算したものかを確かめずに数字だけを比べると、意味がありません。「騰落レシオ70」と書いてあっても、6日で計算したものなら、25日のものとはまったく別の数字です。
2. 目安の水準は、時代とともにずれます。
「120以上で買われすぎ」は、昔からよく言われてきた水準です。しかし上場銘柄の数も、市場の性質も変わっています。 この水準がいつまで有効かは、誰にも分かりません。
過去に当てはまった数字を、そのまま将来に当てはめる。これはアノマリーと同じ危うさを持ちます。
そのうえで、この指標がいちばん役に立つ場面を書いておきます。
極端な数字が出たときです。
騰落レシオが60を割るような場面は、ほとんどの銘柄が売られている状態です。何が起きているのかを確かめる合図にはなります。
ただし、「売られすぎだから買う」と直結させないでください。売られすぎの状態は、そこからさらに続くことがあります。 底を当てる道具ではなく、今どういう状態かを知る道具として使ってください。
この5年の日本株で、確かめてみた
騰落レシオ(25日)は、いちばん低い日で70.9(2021年12月2日)、いちばん高い日で144.4(2025年5月15日)でした。
120以上だった日は106日(続けて起きたものを1回として33回)。その日から約1か月後の市場全体(全銘柄の中央値)の値動きは、+0.8%でした。すべての日で見ると、+0.3%です。
70以下になった日は、この期間に1日もありませんでした。
騰落レシオの水準と、その後の市場全体
市場全体は、その日に始めた全銘柄の値動きの中央値です。
| すべての日(1,203日) | 120以上の日(106日) | 70以下の日(0日) | |
|---|---|---|---|
| 約1か月後の市場全体 | +0.3% | +0.8% | — |
| 約3か月後の市場全体 | +0.5% | 0.0% | — |
- 定義は、このページの本文と同じです。都合のよい期間や条件に変えて数え直すことはしていません。
- 「市場全体」は、同じ日に始めた全銘柄の値動きの中央値です。相場全体が上がった時期なら、何をしても「上がった」になるため、それと比べています。
- 毎日の騰落レシオは、前後の日と25日分が重なっています。日数が多く見えても、別々の結果として数えられるのは、続けて起きたまとまりの数ほどです。
- 「今日の数字」と同じく、その日の株価のファイルにある全銘柄で数えています。
- 売買の手数料や税金は含めていません。過去5年の結果で、この先のことは分かりません。当サイトは、この結果を銘柄を選ぶ条件には使っていません。
関連する言葉
- サイコロジカルライン 直近12日のうち上げた日数の割合。値幅を見ていないため、下げの大きさが反映されない。
- RSI(相対力指数) 買われすぎ・売られすぎを0〜100で示す指標。上昇が続くあいだは高いまま張り付く。
- セリング・クライマックス 投げ売りが一日に集中し、出来高が跳ね上がって下げ止まる場面。後からしか分からない。
- プライム・スタンダード・グロース 東京証券取引所の3つの市場区分。会社の規模と成熟度で分かれており、リスクの性格が違う。
- アノマリー 理屈では説明できないが、経験的に語られる値動きの傾向。再現する保証はない。
- 最終更新
- 2026-09-17