MACD(マックディー)
2本の平均線の差から流れの変わり目を見る指標。反応は速いが、だましも多い。
ひとことで言うと
短期と長期、2本の平均線がどれだけ離れているかを線と棒で表した指標です。
もう少しくわしく
MACDは Moving Average Convergence Divergence の略。日本語では移動平均収束拡散です。
3つの要素でできています。
| 名前 | 中身 |
|---|---|
| MACD線 | 12日の平均 − 26日の平均 |
| シグナル線 | MACD線の9日平均 |
| ヒストグラム(棒) | MACD線 − シグナル線 |
ここで使う平均は指数平滑移動平均です。単純な平均と違い、直近の値を重く見ます。 そのぶん反応が速くなります。
読み方はこうです。
- MACD線がシグナル線を下から上に抜けた … 買いの目安とされる
- MACD線がシグナル線を上から下に抜けた … 売りの目安とされる
- 棒が0を上下に横切る場所が、その交差した地点にあたる
ゴールデンクロスと考え方は同じですが、MACDのほうが早く反応します。
実際の数字で見る
MACD線の意味を分解します。
| 12日平均 | 26日平均 | MACD線 | |
|---|---|---|---|
| 上昇の局面 | 1,080円 | 1,020円 | +60 |
| 横ばい | 1,000円 | 1,000円 | 0 |
| 下落の局面 | 940円 | 1,010円 | -70 |
MACD線がプラス=短期の平均が長期を上回っている、つまり上昇の流れにあるということです。
そしてMACD線が0から離れるほど、その流れが強いことを意味します。
ここに注意
反応が速いということは、だましも多いということです。
MACDは直近の値動きを重く見るため、少しの動きでシグナル線を抜けます。 上下に揺れている局面では、買いと売りの合図が何度も出ます。そのたびに売買すれば、手数料と税金だけが積み上がります。
「速い指標ほど優れている」わけではありません。速さと確かさは引き換えです。
もう一つ、初心者が誤解しやすい点があります。
MACDは株価の水準を示していません。 表示されている数字は「2本の平均の差」であり、円でもパーセントでもありません。銘柄によって桁が変わるため、他の銘柄と数値を比べても意味がありません。
そして最も重要な注意です。
MACDが買いの合図を出した理由は、過去の株価が上がったからです。 会社の業績が良くなったからではありません。
業績が悪化している会社でも、一時的に株価が戻ればMACDは買いの合図を出します。指標は会社の中身を見ていません。
当サイトが財務データを中心に据えているのは、この理由によります。値動きから作った指標は、値動きを言い換えたものにすぎません。
とはいえ、MACDには使いどころがあります。すでに買うと決めた銘柄について、入るタイミングを測るという使い方です。買うかどうかの判断そのものを、MACDに委ねないでください。
この5年の日本株で、確かめてみた
MACD線がシグナル線を下から上に抜けたのは77,131回(3,015銘柄)ありました。25日線と75日線のゴールデンクロス(14,025回)の約5倍です。
20営業日以内に再び下に抜けたのは80.5%。ゴールデンクロスでは16.1%でした。
約1か月後に市場全体を上回っていたのは49.8%。半分とほとんど変わりません。
抜けた後、市場全体と比べてどうだったか
| 比べた時点 | 件数 | 市場全体を上回った割合 | 市場全体との差(中央値) |
|---|---|---|---|
| 約1か月後(20営業日) | 75,788件 | 49.8% | 0.0% |
| 約3か月後(60営業日) | 72,701件 | 50.9% | +0.3% |
- 定義は、このページの本文と同じです。都合のよい期間や条件に変えて数え直すことはしていません。
- 「市場全体」は、同じ日に始めた全銘柄の値動きの中央値です。相場全体が上がった時期なら、何をしても「上がった」になるため、それと比べています。
- 数えたのは、ふだんから売買されている銘柄だけです(前日までの25営業日の売買代金の平均が1億円以上。ETFなどは除く)。
- 途中で上場をやめた会社も、やめるまでの株価は含めています。直近60営業日に起きたものは、まだ結果が出ていないため数えていません。
- いちばん多く起きた日は2024年8月16日で、418件(全体の0.5%)でした。同じ日に一斉に起きたものは、件数ほど別々の結果ではありません。
- 比べる日に株価が無かったもの(上場廃止や売買停止など)が243件あり、結果が出ないため数えていません。
- 売買の手数料や税金は含めていません。過去5年の結果で、この先のことは分かりません。当サイトは、この結果を銘柄を選ぶ条件には使っていません。
関連する言葉
- RSI(相対力指数) 買われすぎ・売られすぎを0〜100で示す指標。上昇が続くあいだは高いまま張り付く。
- 移動平均線 過去一定期間の終値を平均してつないだ線。株価の方向をならして見るために使う。
- ゴールデンクロス 短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜けること。上昇のサインとされる。
- だまし 買いや売りのサインが出たのに、直後に反対方向へ動いてしまうこと。
- 最終更新
- 2026-09-16