逆ウォッチ曲線
横に出来高、縦に株価を取ってつないだ線。左回りに回るとされるが、実際はめったに回らない。
ひとことで言うと
横軸に出来高、縦軸に株価を取って、時間の順に点をつないだ図です。
もう少しくわしく
ふつうのチャートは、横軸が時間です。
逆ウォッチ曲線は違います。横軸が出来高です。時間は、点をつなぐ順番としてだけ残ります。
なぜこんな図を描くのか。出来高が株価より先に動くという考えを、目で見える形にするためです。
「買いたい人が増える → まず売買が増える → 少し遅れて値段が上がる」という順番が本当なら、出来高の山は株価の山より手前に来ます。
その関係を図にすると、線は左回り(反時計回り)に回ります。 時計の針と逆に回るので逆ウォッチです。
よく紹介されるのは、8つの局面です。
| 局面 | 出来高 | 株価 | 言われる意味 |
|---|---|---|---|
| 1 | 増える | 横ばい | 買いの準備 |
| 2 | 増える | 上げる | 買い |
| 3 | 横ばい | 上げる | 買い継続 |
| 4 | 減る | 上げる | 売りの準備 |
| 5 | 減る | 横ばい | 売り |
| 6 | 減る | 下げる | 売り継続 |
| 7 | 横ばい | 下げる | 様子見 |
| 8 | 増える | 下げる | 次の買いの準備 |
この8つを順にたどると、図の上を左回りに一周します。
実際の数字で見る
図の左下から時計と逆に回ると、こうなります。
| 図の位置 | 出来高 | 株価 |
|---|---|---|
| 下(真ん中) | ふつう | いちばん安い |
| 右 | いちばん多い | 真ん中 |
| 上(真ん中) | ふつう | いちばん高い |
| 左 | いちばん少ない | 真ん中 |
株価がいちばん安いところで出来高が増え始め、株価がいちばん高いところで出来高が減り始めています。
つまり、この図が主張しているのは1つのことだけです。
出来高の変化は、株価の変化より4分の1周期ぶん早い。
上の図は、その主張がそのとおりに成り立つ値を入れて描いたものです。実際の値動きから作った図ではありません。
ここに注意
実際のチャートで、こんなにきれいに回ることはまずありません。
これがこの図のいちばん大きな問題です。
教科書に載っている逆ウォッチ曲線は、きれいな円です。しかし本物の銘柄で描くと、線が一か所で絡まった毛玉になります。
理由は3つあります。
1. 出来高が株価より先に動くとはかぎりません。
決算や不祥事のように、値段と出来高が同時に動くことは普通にあります。その場合、線は回らず斜めに走ります。
2. 一周する期間が決まっていません。
1周が3か月のこともあれば、2年のこともあります。いま何番目の局面にいるかは、一周し終わってからでないと分かりません。
「いま4番の局面だから売りだ」と判断した後で、実は2番だったと分かることが起こります。
3. 平均の取り方で形が変わります。
生の日々の出来高を使うと、点が散らばって線になりません。そこで25日平均などでならすのが普通です。
しかし何日で平均を取るかによって、図の形は変わります。きれいに回る日数を探せば、たいてい見つかります。これはカーブフィッティングです。
そのうえで、この図から持ち帰れるものを書いておきます。
図の形ではなく、「出来高と株価を一緒に見る」という考え方のほうが役に立ちます。
上げているのに出来高が減っている、という状態は、この図を描かなくても分かります。
| 株価 | 出来高 | 読み方 |
|---|---|---|
| 上げている | 増えている | 参加者が増えながら上げている |
| 上げている | 減っている | 上げを支える売買が細っている |
| 下げている | 増えている | 投げ売りが出ている |
| 下げている | 減っている | 売る人も減ってきた |
この表の中身が、逆ウォッチ曲線の実質です。 円を描かなくても同じことが言えます。
図をきれいに描くことに時間を使うより、株価と出来高を並べて見る習慣を持つほうが確かです。
関連する言葉
- 出来高(できだか) その日に売買が成立した株数。関心の大きさを表し、株価の動きの信頼度を測る材料になる。
- 出来高が急に増えた日 平常時の何倍かで測る。増えた事実より、どちらに動いた日かと、その後戻るかが大事。
- 移動平均線 過去一定期間の終値を平均してつないだ線。株価の方向をならして見るために使う。
- セリング・クライマックス 投げ売りが一日に集中し、出来高が跳ね上がって下げ止まる場面。後からしか分からない。
- だまし 買いや売りのサインが出たのに、直後に反対方向へ動いてしまうこと。
- 最終更新
- 2026-09-18