DMI(+DI・−DI・ADX)
上げと下げのどちらが優勢かと、流れのはっきりさを測る指標。向きと強さを分けて見る。
ひとことで言うと
上げと下げのどちらが優勢かと、その流れがどれだけはっきりしているかを測る指標です。
もう少しくわしく
DMIは、3本の線でできています。
| 線 | 表すもの |
|---|---|
| +DI | 上げの強さ |
| −DI | 下げの強さ |
| ADX | 流れのはっきりさ(向きは見ない) |
読み方は2段階です。
1段階目 … +DIと−DIのどちらが上か。
| 状態 | |
|---|---|
| +DIが上 | 上げが優勢 |
| −DIが上 | 下げが優勢 |
2段階目 … ADXがどのあたりか。
| ADX | 意味 |
|---|---|
| 25以上 | 流れがはっきりしている |
| 25未満 | 方向がない |
ここが、この指標の大事な点です。
ADXは、上げか下げかを教えてくれません。
ADXが50でも、上げているのか下げているのかは分かりません。「はっきりした流れがある」としか言っていません。 向きは+DIと−DIで判断します。
図を見てください。前半(上昇)と後半(揉み合い)で、ADXの高さがはっきり違います。 株価の形を見なくても、流れがあるかどうかが分かります。
実際の数字で見る
計算は、次の考え方でできています。
前の日と比べて、高値がどれだけ上に伸びたか、安値がどれだけ下に伸びたかを毎日測ります。
| 計算 | |
|---|---|
| 上に伸びた分 | 当日の高値 − 前日の高値 |
| 下に伸びた分 | 前日の安値 − 当日の安値 |
そして、大きいほうだけを採用します。両方とも伸びた日は、より大きく伸びたほうだけを数えます。
この合計を、値動きの大きさ(トゥルーレンジ)で割ったものが+DI・−DIです。
| 値 | 読み方 | |
|---|---|---|
| +DI | 35 | 上への動きが値動き全体の35% |
| −DI | 15 | 下への動きが15% |
| 差 | 20 | 上が明らかに優勢 |
ADXは、この差の大きさをならしたものです。
ADX = |+DI − −DI|÷(+DI + −DI)× 100 をならしたもの
差が大きいほどADXは高くなります。+DIと−DIが近づくと、ADXは下がります。
だから、上げでも下げでもADXは高くなります。片方に偏ってさえいれば高いのです。
ここに注意
ADXは遅れて動きます。天井や底を教えてはくれません。
ADXは、差をならして計算します。ならす分だけ、実際の動きより遅れます。
| 起きること | ADX |
|---|---|
| 上昇が始まる | まだ低い |
| 上昇が続く | 上がってくる |
| 上昇が終わる | まだ高いまま |
| 揉み合いになる | ようやく下がる |
ADXが高いときは、すでに流れが進んだ後です。「ADXが高いから買う」とすると、終わりかけで買うことになります。
もう2つ、注意点があります。
1. ADXが下がることは、下落を意味しません。
ADXが50から30に下がったとき、多くの人が「下げに転じた」と誤解します。違います。流れが弱まっただけです。
上げが止まって横ばいになっても、ADXは下がります。株価は1円も下げていなくてもです。
2. 揉み合いでは+DIと−DIが何度も交差します。
図の後半がそれです。「+DIが−DIを上抜けたから買い」という使い方をすると、揉み合いのあいだ、何度も往復して損を重ねます。
だから、実際には次のように使われます。
ADXが25を超えているときだけ、+DIと−DIの交差を見る。
ADXが低いときは、DIの交差を無視します。流れがないときに流れを追わないための仕組みです。
そして、最後に位置づけを書いておきます。
DMIが答えるのは「今どういう状態か」であって、「これからどうなるか」ではありません。
指標の中では珍しく、向きと強さを分けて考えるという構造を持っています。この考え方自体は、指標を使わなくても役に立ちます。
上がっているのか。それは、はっきりした流れなのか。
この2つを分けて見る癖がつけば、それだけでも価値があります。
関連する言葉
- 移動平均線 過去一定期間の終値を平均してつないだ線。株価の方向をならして見るために使う。
- トレンドライン 安値どうし、高値どうしを結んだ斜めの線。どの2点を選ぶかで傾きが変わる。
- RSI(相対力指数) 買われすぎ・売られすぎを0〜100で示す指標。上昇が続くあいだは高いまま張り付く。
- MACD(マックディー) 2本の平均線の差から流れの変わり目を見る指標。反応は速いが、だましも多い。
- ヨコヨコ 上にも下にも動かず横ばいが続く状態。損はしていないが、資金と時間は拘束されている。
- 最終更新
- 2026-09-17